頑張っているのに成果が出ない。どうすればいいのか、途方にくれる人も少なくないだろう。そんな人におすすめなのが、『1位思考──後発でも圧倒的速さで成長できるシンプルな習慣』。創業9年目で売上300億円にしたアンカー・ジャパンCEOの猿渡歩氏、初の著書だ。猿渡氏は「適度にサボると生産性は上がる」という。27歳入社→33歳アンカーグループ最年少役員→34歳アンカー・ジャパンCEOになった著者が、参入したほぼ全製品カテゴリーでオンラインシェア1位になった秘密は、シンプルな6つの習慣にあった。本書の一部を抜粋しながら急成長の秘密を明らかにしていこう。
「バリューを出す習慣」で大切なこと
本書では、誰でも1位になれる、シンプルな6つの習慣を紹介している。
1 全体最適の習慣
2 バリューを出す習慣
3 学ぶ習慣
4 因数分解の習慣
5 1%にこだわる習慣
6 サボる習慣
「2 バリューを出す習慣」で大切なのは「お客様の声を聞く」ことだ。
求められていない製品をつくっても意味がない。
お客様の忌憚のない意見が製品開発のヒントにつながる。
あるとき、モバイルバッテリーのカテゴリーでアンカー製品が1位から陥落したことがあった。
競合から質のよい製品が発売されたのだ。
私は既存製品では勝てないと思い、すぐにその競合製品を購入して開発部門に送り、新製品をリクエストした。
結果として、開発部門がすぐに動いてくれたおかげで新製品投入後には1位を奪還することができたが、あのときプロダクトを見直さずにプロモーションだけ強化して戦っていたら、間違いなく負けの期間が長引いていただろう。
私たちは、お客様の声を聞きながら製品改善を続けてきた。
創業当時は今ほど開発リソースもなかったため、品質管理などは独自に手を入れていたが、競合との機能的な差別化は今ほど多くはなかった。
これだと単純な価格競争に巻き込まれてしまうため、アンカーグループは2014年頃から自社に本格的な研究開発チームをつくった。
すると1次プロダクトをつくるノウハウが次第に蓄積されてきた。
それを充電関連機器だけでなく、イヤホンやロボット掃除機など他の製品カテゴリーにも拡大していった。
プロダクトは永遠のベータ版
では、お客様に求められる製品をどうつくるのか。
「プロダクトは永遠のベータ版」という意識を持つことが重要だ。
前段で、人も企業も永遠の未完成と記したが、製品も同じ。
完璧な製品はなく、時代や環境の変化に応じて、改良し続ける必要がある。
(本稿は『1位思考』の一部を抜粋・編集したものです)