【Twitterフォロワー数60万人、YouTubeチャンネル登録数73万人】と、今どきのママパパに圧倒的に支持されているカリスマ保育士・てぃ先生の子育てアドバイス本第2弾『子どもが伸びるスゴ技大全 カリスマ保育士てぃ先生の子育て○×図鑑』ができました!
子育ての悩みは、決して親の能力や愛情の深さの問題ではなく、子ども特有の気持ちやものごとのとらえ方、体の状態を知るだけでうまくいくことが多いと、てぃ先生は教えてくれます。
この連載では、「てぃ先生が実際に試して効果のあった伝え方」や「保護者が絶賛した斬新なテクニック」を厳選。「子育ての困った」が「成長」に変わるコツをお伝えしていきます。(初出:2021年12月10日)(2023年6月2日にタイトルを修正しました)

【「世界一受けたい授業」出演】てぃ先生の「置いてっちゃうからね!」と言わずに子どもが納得する3つの方法【書籍オンライン編集部セレクション】

「やだ!」「帰らない!」と言う子に
「置いてっちゃうからね!」「勝手にしなさい!」
と言わなくてもいい3つの方法

「置いてっちゃうからね!」「もう知らないよ。勝手にしなさい!」――子どもがなかなか言うことを聞いてくれないと、ついこんなふうに言ってしまう方、多いと思います。でもこの言葉は、大人が考える以上によくない言葉なんです。これは心理学ではダブルバインド(二重拘束)といいます。ひとつのメッセージの中に矛盾した複数の意味が込められているので、どれを信じればいいかわからず、混乱して過度なストレスになってしまうんです。

子どもは不安と恐怖を感じ、矛盾に混乱する

 言っている大人は「こう言えば言うことを聞くだろう」という“脅し”のような意識ですが、言われた子どもは「置いていかれるかもしれない」という不安や恐怖と同時に、「そう言われたけど、ママやパパは自分から離れていかないな」という反対の状況に置かれ、混乱します。

「もう知らない。勝手にしなさい」も、本当に勝手にすると「何してるの!」と怒られるという、矛盾した状態になります。こういった状況が続くと、自己肯定感や思考力が下がったり、人を信用しなくなったり、自分の気持ちを表現できなくなるなど、数えきれないほどの悪影響が出る可能性があります。

 ではどのようにすればいいでしょう? ダブルバインドが発生しやすい環境に、「あれをしたから、いい子」「これができたから、おりこう」など、子どもが何かいいことをしたときだけ認めるということがあります。そこで、「特別なことをしなくてもあなたが大好きだよ」という無条件の愛情を伝えてみてください。

解決方法は3つ!

 1つ目は、「子どもに選択肢を示してあげること」です。「帰るよ」という一方的な命令では子どもが拒否しやすいです。そうではなく、たとえば「普通に歩いて帰るのと、スキップしながら帰るの、どっちがいい?」と選択肢を示してあげると、「帰るよ」よりは子どもがポジティブにとらえてくれます。

 そして2つ目は「子どもにあらかじめ先の見通しをもってもらうこと」です。大人に予定があるように、子どもも、「このあと砂場で遊ぼう」「これが完成したらママに見てもらうんだ」と心のうちに予定をもっています。それが突然「ハイおしまい」と言われたらいやなのは当然ですよね。なので子どもと予定を共有しておきましょう。言わなくてもわかるはずとか、きのうも同じだったから大丈夫ではなく、くり返し予定を言葉にすることによって、子どもが見通しをもてるようになります。そうすると、思い通りにならなかったときの気持ちの切り替えも、何もしないよりはうまくいくと思います。

 3つ目は、「ポジティブな言葉に言い換えること」です。「おうちに帰るよ」と聞くとネガティブな感じですが、「おいしいごはんを食べにおうちに行くよ」であれば子どもも納得しやすいです。家に戻ったら「おうちに帰ってきたね。ただいま」と言えば、帰るということもきちんと理解できますよ。

 本原稿は、てぃ先生著『子どもが伸びるスゴ技大全 カリスマ保育士てぃ先生の子育て○×図鑑』からの抜粋です。この本では、ママパパの子育てが楽しくなって、子どもの「困った」が「成長」に変わるコツを紹介しています。一緒に楽しく、子育てしてみませんか?(次回へ続く)

【「世界一受けたい授業」出演】てぃ先生の「置いてっちゃうからね!」と言わずに子どもが納得する3つの方法【書籍オンライン編集部セレクション】
てぃ先生(てぃーせんせい)
関東の保育園に勤める男性保育士

保育士として勤務するかたわら、その専門性を活かし、子育ての楽しさや子どもへの向き合い方などをメディアなどで発信。全国での講演は年間50回以上。

他園で保育内容へのアドバイスを行う「顧問保育士」など、保育士の活躍分野を広げる取り組みにも積極的に参加している。

ちょっと笑えて、かわいらしい子どもの日常についてのつぶやきが好評を博し、Twitterフォロワー数は52万人を超える。子育てのハウツーを発信しているYouTubeも大人気。

著書は『子どもに伝わるスゴ技大全 カリスマ保育士てぃ先生の子育てで困ったら、これやってみ!』(ダイヤモンド社)、『ほぉ…、ここがちきゅうのほいくえんか。』(ベストセラーズ)、コミックほか多数。