そのほか、湿ったバスタオルや汗ばんだ衣類と、乾燥している衣類をごちゃ混ぜにして保管している場合も、臭いの元になる菌が発生しやすい。加えて、お風呂の残り湯を使って洗濯している場合も生乾き臭の原因になるそうだ。残り湯での洗濯は、水を再利用できて水道代の節約になるが、衣類の汚れをしっかり落とすという観点から見ると、残念ながら推奨できないという。
「生乾き臭の原因は、人の体臭も関係していますが、洋服に汗・水分・皮脂が付着して菌が発生しているからです。湯船の水には雑菌や皮脂が混ざっているので、それを洗濯に使うということは雑菌を衣類に漬けているのと同じなのです」。洗濯機の付属品として給水ホースが付いていることもあり、何げなく残り湯を使っている人もいるだろう。しかしプロの視点から見ると残り湯で洗濯することは、雑菌のプールに漬け込んでいるのと同じ行為だという。
全自動洗濯機の「おまかせ」コースは
水の量が圧倒的に足りない
生乾き臭に悩んでいるケースをよく見ると、洗濯に使う水が少なく、十分に汚れが取れていないことが臭いの原因になっていることが多い、と茂木氏は話す。
全自動洗濯機の洗濯槽にはセンサーが付いていて、衣類の重さや体積を量り、水の量を自動的に計算・調整している。ボタン一つで水の量が自動で計測されるので便利な一方、日本の洗濯機は自動的に節水モードになっているため、汚れをしっかり落とせる水量に設定されていないという。
「洗濯物の量は、水に対して6~7割くらいにしておくのが理想的。特にバスタオルは、吸水性を上げるために糸の長さが長くなっているので、菌も吸着しやすい素材です。バスタオルを洗う場合は、いつもより水の量を多めに設定するか、洗濯機に入れる前にバスタオルを水に濡らしておけば、その分重たくなるので、自動的に水の量が多くなります」