【YouTubeチャンネル登録数73万人、Twitterフォロワー数59万人、Instagramフォロワー数19万人】と、今どきのママパパに圧倒的に支持されているカリスマ保育士・てぃ先生の子育てアドバイス本第2弾『子どもが伸びるスゴ技大全 カリスマ保育士てぃ先生の子育て○×図鑑』が大好評です。
この連載では、「てぃ先生が実際に試して効果のあった伝え方」や「保護者が絶賛した斬新なテクニック」を厳選。「子育ての困った」が「成長」に変わるコツをお伝えしていきます。(2023年6月2日にタイトルを修正しました)

てぃ先生が解決!「やればできる子」の正体と、本当にできるようになる方法

生まれつきの才能ではなく、
努力をほめるだけで
チャレンジ精神旺盛になります

「やればできる子なんですけど、やろうとしないんです」

 こんなふうに表現される子ってよくいますよね。親としては期待を込めてそう思うわけですが、「やればできる子」が本当にできる子に変わる簡単な方法があります。

 まず、「やればできる子」と呼ばれる子の多くは「できることは最初から、努力しなくても生まれつきの才能でうまくできる」と思っていることが多いです。これを心理学で「硬直マインドセット」といいます。こういう状態にある子に「やればできるんだから、やりなさい」と無理に何かをさせようとしても、プレッシャーが大きくやる気が起きません。もしも失敗したら「ほら、やっぱりできないじゃん」と自己嫌悪が強くなり、余計に失敗を恐れてチャレンジしなくなってしまいます。

ほめ方でチャレンジ精神に差が出る

 じゃあどうすればいいのか。スタンフォード大学のキャロル・S・ドゥエック教授が行った実験があります。

 子どもたちを集めて2つのグループに分け、IQテストを行いました。その結果報告をするときに、1番目のグループの子には、「とってもいい点数だったね。あなたは頭がいいんだね」「あなたは天才だね」と、生まれつきの能力をほめるようにしました。続いて2番目のグループの子には、「とてもいい点数だったね。がんばって取り組んだね」と、その子の成長や努力をほめて結果を伝えました。

 すると、この2番目のグループ、努力をほめられた子たちは、テストを続けて行くと「もっと難しいテスト! もっと難しいテスト!」と自らテストの難易度を上げていきました。対して、1番目のグループ、「頭がいいんだね。天才だね」と生まれもった能力をほめてもらったグループは、そのまま簡単なテストを選び続けたんです。つまり、やればできるとわかっていることにしかチャレンジ精神がわきませんでした。「自分ができるのはここまで」「難しい問題ができないのが怖い」という気持ちになってしまったんですね。

努力を認める

 つまり、やればできる子が本当にできる子に変わるためには「人は努力や学習によって変わることができる。できることが増える」という「成長マインドセット」を身につける必要があるわけです。

 子どもがテストでいい点をとったら「一生懸命お勉強してたもんね」と、その子が努力していた部分を認めてあげてください。かけっこでいい順位をとってきたら「足が速いね」ではなく「たくさん練習したもんね」「走っているフォームがすごくよかったよ」などその子の努力や意識したポイントをほめてあげてください。

 そうするとほかの物事に対してもチャレンジできるようになり、「やればできる子」から「本当にできる子」にどんどん変わっていくんじゃないかなと思います。

POINT
●無理に何かさせようとすると自己嫌悪が強くなる
●才能ではなく、努力や工夫したことをほめる
●難しそうなことにもチャレンジできるようになる

 本原稿は、てぃ先生著『子どもが伸びるスゴ技大全 カリスマ保育士てぃ先生の子育て○×図鑑』からの抜粋です。この本では、ママパパの子育てが楽しくなって、子どもの「困った」が「成長」に変わるコツを紹介しています。一緒に楽しく、子育てしてみませんか?(次回へ続く)

てぃ先生が解決!「やればできる子」の正体と、本当にできるようになる方法
てぃ先生(てぃーせんせい)
関東の保育園に勤める男性保育士

保育士として勤務するかたわら、その専門性を活かし、子育ての楽しさや子どもへの向き合い方などをメディアなどで発信。全国での講演は年間50回以上。

他園で保育内容へのアドバイスを行う「顧問保育士」など、保育士の活躍分野を広げる取り組みにも積極的に参加している。

子育てのハウツーを発信しているYouTube、Twitter、Instagramも大人気。

著書『子どもに伝わるスゴ技大全 カリスマ保育士てぃ先生の子育てで困ったら、これやってみ!』(ダイヤモンド社)ほか多数。