第4次産業革命に適応し
新たなスキルを身に付ける
最近、「リスキリング」に注目が集まるようになりました。これは世界経済フォーラム年次会議(ダボス会議)で2018年から提唱された考え方です。
現在、第4次産業革命を迎え余剰人員の発生や自動化の影響などで既存の雇用が失われる一方、テクノロジーの進歩や新しい働き方によって新たな仕事が創出される可能性があります。リスキリングはこの大きな変化に適応し、そのメリットを享受するために必要なスキルを獲得することと世界経済フォーラムは整理しています。
日本政府もリスキリングに力を入れ、岸田首相は10月3日の所信表明演説で、個人のリスキリング支援に5年で1兆円を投じると表明しました。富士通や日立といった大手企業でも、多額の投資を行い社員のリスキリングに注力し始めています。
第4次産業革命はデジタル技術革新がベースにあるので、企業が社員に行っているリスキリングの具体的な内容はデジタル関連、特にDXが中心になることが多いようです。
極端にいえば文系人材を理系人材にするような話が多く、全社員を対象にデータ分析講座を必修にする会社もあります。なぜわざわざそこまでするかといえば、外部から専門人材を採用したくても数が足りていないため、内部のポテンシャルある人たちを学び直しさせて戦力化することや、IT部門でなくとも各社員が一定のデジタルスキルを持つ必要があるとの意図があります。
リスキリングを推進している企業で働く社員にとって、これはよいチャンスになるでしょう。何しろ給与をもらいながら、会社の費用で、これから必要とされるスキルを身に付けられるのですから、ラッキーと思って乗っかるのが一番よいと思います。
世の中の変化が激しくなり、業務に必要な知識、スキルが更新されるスピードがますます速くなるなか、リスキリングにとどまらずあらゆる分野における学び直し、そして継続的に学習する習慣の定着は今後、ビジネスパーソンにとって重要な課題になります。
ただ、実際「学び直す」といってもそう簡単ではありません。多くのビジネスパーソンは「学習する習慣」が失われてしまっているからです。では、どう取り戻していけばよいのでしょうか。