日本がW杯でベスト8に進出するカギは
Jリーガーが握っている
日本のサッカー界では「2050年までにW杯で優勝する」ことを目標に、サッカー日本代表の底上げのロードマップを構想しています。ベスト8に進出できるチームを作ることはその時間軸での現実的な目標だということになります。
さて、異論はあると思いますが、サッカー選手のピークの年齢は他のスポーツよりも若いうちに訪れます。経験やキャプテンシーの観点では30代の選手がチームの鍵になる一方で、戦力の観点ではサッカー日本A代表(オリンピックなど若手中心ではない国の一番の代表チーム)となると20代中盤が主力になります。
ここは重要な点ですが、堂安さん、三笘さん、鎌田さん、久保さん、前田さん、伊東さん、南野さん、浅野さん、権田さんといった今大会活躍した若手は2018年の大会には招集されていません。一方で4年前の大会では岡崎さん、大迫さん、本田さん、香川さん、川島さんらがヒーローでした。
もちろん吉田さん、酒井さん、長友さんのようにチームの中心となる選手は複数の大会をまたいで活躍しますが、大会のヒーローは4年から8年で完全に世代交代します。つまり現在のサッカー日本代表の大半は20代中盤の欧州組ですが、2026年大会、2030年大会では現在16歳から20代前半くらいの選手が台頭してくるはずです。
戦略を練る際、あるターゲットにリソースを集中する必要があります。26年大会、30年大会で日本代表を底上げする層を現在16~22歳のトップ選手と想定すれば、その大半は現在のJリーガーです。
つまり、「日本がW杯でベスト8に勝ち上がれない問題」の解決策は、Jリーガーにあるのです。そこで「JリーガーのPK戦での戦闘能力を高める」ための戦略を立案するという“解決のための方向性”を設定することができます。
ここであらためて日本代表がW杯で勝ち進むための戦略を考えると、そこには二つの異なる戦略要素があることがわかります。
一つは日本代表の監督がチームのために考える独自の戦略や戦術、そしてもう一つが日本のサッカー界全体の底上げに関係する環境的な戦略です。私のような素人のコンサルタントが提言できるのは、主に後者の話になってきます。
では、どうしたらいいのか? ここからが戦略の提言となります。