PK技術には向上の余地があるが
練習で“100%の再現”は難しい

“洞察”の後、戦略コンサルタントは事実や関係者の話を広く集めます。これをサッカーにも応用します。

 細かいエピソードは割愛させていただくとして、「PKの練習が成果につながるわけではないところが難しい」という意見が多いのです。サッカーW杯の決勝トーナメントのあの局面で蹴るというプレッシャーは、練習では培うことができないという意見です。

 実際に、監督からPKの1000本練習が指示されたスペイン代表も、今回のW杯でベスト16のPK戦でモロッコに敗退しています。

 本田圭祐さんのツイートによると、「PKにも練習が必要。でもある程度の質に到達してからはメンタルゲームになる。これまでもどんなトップ選手でも大舞台で外してきた。それはあのプレッシャーを練習では作り込めないから」ということです。

 一方で、PKを決めるないしは止めるのには技術が存在するという意見も多く集まりました。元日本代表の城彰二さんや中村俊輔さんの蹴る側の意見は、素人の私でも「なるほど違いがあるのだろう」と思わせる説得力を感じます。

 日本のPKを3本止めたクロアチアのGKリバコビッチは、その次のブラジル戦でも鉄壁の守りを見せ、PK戦でブラジルを撃破してみせました。リバコビッチの技術を詳しく解説したサッカーの専門家の記事を読む限り、「PKを止める側の技術もあるようだ」と説得されます。

 つまり日本代表が次のステージに行くためにはPKが重要であり、そのPKの技術は向上する余地があるけれども、練習ではこの問題の解決は非常に難しいことがわかります。ここを突破するアイデアが必要なのです。

 さて、話がちょっとだけ回り道になりますが、3番目に戦略コンサルタントは「時間軸」で解決策を思考します。