計算式に「有名な数列」が隠されている?
まずは、次の計算式をみてください。
(1-1+2+3+5+8) ×13=
実際の計算に入る前に、計算式に並んだ数の列「1、1、2、3、5、8、13」の、ある規則性についてお話しします。
はじめに1と1が並んで、3番目の数が(1+1=)2です。そして、4番目の数が(1+2=)3というように、直前の2つの数の和が続いています。
この数列を「フィボナッチ数列」といい、実際は「1、1、2、3、5、8、13、21、34、……」と続いていきます(初めの数を0とする場合もある)。
フィボナッチ数列は、「黄金比(比率は1.61803……)」との関係が知られています。
フィボナッチ数列の隣り合う数(1と2以降)について、大きい数を小さい数で割っていくと次のようになります。
2÷1=2
3÷2=1.5
5÷3=1.666…
8÷5=1.6
13÷8=1.625
21÷13=1.615…
34÷21=1.619…
このように、黄金比(1.61803……)に近づいていくのです。
フィボナッチ数列について、他にもさまざまな興味深い性質がありますが、ここでは誌面の都合上、割愛します。
「(1-1+2+3+5+8) ×13」の計算の順序は?
では、問題に戻りましょう。
(1-1+2+3+5+8) ×13=
「(1-1+2+3+5+8) ×13=」の計算の順序については、次の2つのきまりを使います。
・ふつうは、左から計算する
・かっこのある式では、かっこの中を先に計算する
これをふまえると、次のように計算できます。
(1-1+2+3+5+8) ×13 ←かっこ内を計算
=18×13
18×13は、「十の位が1の2ケタの数どうしのかけ算」なので、おみやげ算で、次のように計算できます。
・18×13の右の「13の一の位の3」をおみやげとして、左の18に渡します。すると、18×13が、(18+3)×(13-3) =21×10(=210)になります。
・その210に、「18の一の位の8」と「おみやげの3」をかけた24をたした234が答えです。
これで「(1-1+2+3+5+8) ×13=234」と求められました。
今回の解説では、「計算の順序の知識」と「おみやげ算」を使いましたが、スムーズに暗算できたでしょうか。
おみやげ算ができるようになれば、今回の問題を10秒以内に暗算することも可能です。まずは、11×11~19×19の暗算をマスターしましょう。そのために、新刊『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』がおすすめです。