誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。とても読みやすいオムニバス形式の短編集は、アナタの心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる。voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!
クレーマーという存在
仕事でクレームをいわれることって、ありませんか? なかには、「誠意を見せないと訴えるぞ、責任をとれ」みたいなことをいってくるクレーマーもいるようです。クレームを受けると、その人の話に耳を傾けようとしますが、クレームをいってくる人というのは、けっこう特殊な存在であることが多いようです。
アテクシの経験でも、なにか問題点があるとしても、「もう二度と利用しない」とは思うものの、クレームをつけるかというと、よほどのことがない限りいわないと思うんです。だからといって、クレーマーの意見を無視していいわけではありません。ただ、そのクレームを過大評価しすぎると、全体のバランスを崩す可能性が出てきます。
いちばん怖いのは“無言のクレーム”
では、どうすればいいかというと、まずクレームをつけてきた人がどんな立場の人なのか、日ごろよくクレームをつけていそうな人なのかは、まずはその話を聞いてみるといいです。そのうえで過剰に反応しないことを前提に対応すること。それ以上に大切なのは、クレームをいわない他の人たちの様子をつぶさに観察してみることです。
すると、なにか問題が起きていて、困っていそうな雰囲気が別に見つかるかもしれません。つまり、“声を上げない人たち”の本音のクレームを知る機会でもあるのです。だから、クレームをつけてくる人がいたら、それを機会にサイレントマジョリティー(物言わぬ多数派)の不満を見つけようとしてみるんです。
潜在的な問題点の一部の表れとして、声の大きな人がクレームをつけているというふうに捉えてみる。サイレントマジョリティーが抱える潜在的な不満が、いちばん解決すべき問題だったりします。そこを見逃してしまうと、“無言のクレーム”が増えてしまう可能性があります。
本稿は『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。