親への感謝、感動押しつけ?
「2分の1成人式」の是非
成人の日に話題になるのが、「2分の1成人式」の存在だ。10歳の節目を祝う学校行事として2010年代頃から行われているようだが、さまざまな家庭環境の子どもがいる中で一律に「親へ感謝する手紙」を書かせたり、家族のエピソードを求めたりすることへの批判が何度も上がっている。
今年も、名古屋大学の内田良教授が『感動の学校行事「2分の1成人式」 個別の家庭事情が教育に利用され続けている』の中で、これまでの批判によって「家庭環境に配慮」した式を提案するように改善傾向にあったはずが、従来通り個別の家庭背景を式に取り入れるケースが見られることを指摘している。
昨年来、宗教2世や3世の問題がメディアでかなり取り上げられたこともあり、恵まれた家庭環境で育つ子どもだけではないことは以前よりも可視化されている中で、大人の「感動」のために「2分の1成人式」を続けてよいのかどうか。
鴻上尚史さんコラム
「決裂」原稿をSNS上に掲載
成人の日にちなみ、著名人が新聞に新成人向けコラムを出すのが恒例だが、今年はこのコラムがSNSで話題になった。
作家の鴻上尚史さん(@KOKAMIShoji)が、時事通信の依頼で原稿を書いたものの20カ所以上の直しが入って「決裂」したことを報告。「せっかく書いた文章なので、ここに載せます。多くの若者に届きますように」と文章を画像投稿した。
このツイートは12日までに16万近くもの「いいね」を集めた。
有名作家でも原稿に修正が入るし、大人同士の仕事でも「決裂」してしまうことがある。そしてSNSで顛末(てんまつ)が一方的に公表されてしまうことがある。原稿の内容とともに、新成人にはそんな学びがあったかもしれない。