日韓だけではない、PCR検査結果提出を求める国々

 一方、日本の場合は、「WHOのリスト(中国国産ワクチン含む)にあるワクチンを3回以上接種していれば出国前の陰性証明は不要だが、ワクチン接種が条件を満たしていなければ必要」としており、どちらのケースも日本到着時にはPCR検査などのチェックは行わないとしている。ただし、通常の入国時に使用されている検査機器による発熱チェックは行われているので、そこで発熱が明らかになるなどすれば別途検査を行い、陽性と分かれば隔離療養施設に入ることになる。

 つまり、「中国に対して差別的な入国制限」と一言でくくられたものの、韓国と日本では措置は大きく違う。

 だが問題は、中国国内メディアの報道によると「中国からの入国者」に対して出発前の陰性証明提出や入国後の検査を求めているのはこの他にも、アメリカ、カナダ、オーストラリア、フランス、イギリス、スペイン、イタリア、イスラエル、インド、カタールなどがあることだ。日本とほぼ同条件なのである。

香港でも、中国からの入境には陰性証明などが必要

 さらにやはり1月8日から次第に中国からの入境者受け入れを始めた香港でも、到着48時間以内のPCRまたは抗原検査による陰性証明と、到着後24時間以内の抗原検査結果アップロードが義務付けられている。これは香港の担当者が中国との折衝の結果決めたものであり、中国政府がそれに抗議したという話はもちろんない。

 また、こうした検査の対象は「中国からの入国者」であり、「中国国籍者」に限ったものではない。韓国も日本も、中国から入国する中国人だけではなく、米国人、日本人、韓国人、その他の国々のパスポートを持つ人にも同様の要求をしている。だが、中国国内の多くのメディアが「中国人に対して差別的な措置を取る日韓」と書きたて、多くの中国庶民の“コンプレックス”を刺激した。