テレアポやインサイドセールスはどうあるべきか
インサイドセールスとテレアポについて、筆者なりの見解を述べてきました。ここで一つお伝えしたいのは、インサイドセールスを否定したい訳ではなく、むしろ広まっていくべきだと考えていることです。
筆者が警鐘を鳴らしたいのは、役割の呼び名に固執するのではなく、
・アウトバウンドコール(テレアポ)で新規開拓をするのは、状況によっては必要
・インサイドセールスを名乗っていても不要なコミュニケーションは発生している
といった、お客様の「されたい」営業を実現するために、ニーズのあるお客様に、必要なタイミングで、個別最適化された訴求を意識することが大切だということです。
一方で、今はWEBやSNSを通して、企業の評判が「口コミ」ですぐに話題になる時代です。無作為にリストを作り、考えもなしにやみくもに電話をかけることは、レピュテーションリスク(※)を考えても避けた方がよいでしょう。※企業に関するネガティブな評価が広まり、信用やブランド価値が低下し損失を被るリスク
今井晶也 著
定価1980円
こうした場合、テレアポであったとしても「ニーズの仮説が立つリスト」を用意し、一社一社にできるだけ「For Youメッセージ」を届けるような、個別最適化されたトークをすることが重要でしょう。
例えば、セレブリックスが営業代行を売る場合、ベンチャーキャピタルなどから受けた出資金を、顧客開拓や営業強化に充てる意思を示している企業をリストアップします。こうすることで、個社ごとに最適化されたメッセージを届けられるのです。
テレアポが悪と決めつけるのではなく、「お客様の気持ちを無視したコミュニケーションは極力、減らしていこう」――インサイドセールスを担当する一人一人がこのように考えていけたら、営業という職業の未来がさらに明るくなると考えます。