インサイドセールスとは何か

 インサイドセールスとは海外から輸入された営業手法や役割の呼称です。日本では、「インサイドセールスカンファレンス」(主催: Future of Work)が開催された2018年に、その存在を知った人も多いのではないでしょうか。

 インサイドセールスを解説するにあたっては、筆者が勝手に新しい定義を作るより、多くの方に浸透している言葉で整理をしましょう。

 インサイドセールスで著名な茂野明彦氏の書籍によると、インサイドセールスは、SDR(Sales Development Representative)・BDR(Business Development Representative)・オンライン商談の三つの役割からなる、と定義されています。

・SDRはマーケティング活動によって獲得した見込み顧客の個人情報を受け取り、電話やメールを使ってアプローチを開始する
・BDRはターゲット企業を選定し、主に手紙やアウトバンドコールによって商談機会を創出する。比較的、大手企業をターゲットとすることが一般的である
・OnlineSalesは客先を訪問せずにオンライン商談を進め、最終的な契約締結まで行う

※茂野明彦『インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド』(翔泳社)から引用

 テレアポが「電話でアポを取ること」と定義されているのを考えると、インサイドセールスはテレアポよりも対応領域が広いことがわかります。

 この中でテレアポに最も近いのは、BDRですが、BDRはコミュニケーション手段を電話に限定していない点や、ターゲットを絞って個社ごとにアプローチ方法やトークテーマを変えていく点が違います。

 しかし、テレアポを主業務とするアポインターは、メールや手紙、DMを送らないのかといえば、決してそんなことはありません。BDRの場合、「ターゲットを限定した」重要かつ少数のリストに営業していく点が大きな違いになりそうです。