◇タイムリミットを設ける
タイムリミットがあれば、誰しも集中せざるを得なくなる。学生時代、テスト時間が終わる直前まで、驚異的な集中力で問題を解こうとしたのと同じだ。もし時間無制限だったとしたら、決して集中できなかっただろう。
タイムリミットを設定すれば自然と集中できる。仕事も同じだ。「残業してもいいや」ではなく「定時までに必ず終わらせる」と決めれば、集中できて、意外なほど速く仕事が進むはずだ。
◇「終わったら自由時間」と決める
持久力や集中力は、小学生でもトレーニングできる。著者は小学生の娘に対して、宿題が終わるまでほかのことをやらないよう言い聞かせ、その様子を机の後ろで「監視」していたことがある。最初は気が散っていたようだが、1週間もすれば宿題に集中できるようになった。
その秘訣は「宿題が終わったら自由に過ごしていい」と決めたことにある。この方法は大人にも有効だ。著者自身、司法試験の勉強をしていたときは、晩酌を楽しみに「一刻も早く自由時間を手に入れたい」と考えて勉強していた。
ここで留意すべきポイントは2つある。1つ目は、追加のタスクを課してはいけないということだ。「早く終わったら追加のタスクを課す」とすると、ゆっくりやってしまうのが人間の性である。
2つ目は、タスクにかかる日数や時間を多めに見積もることだ。パッと思いついた時間の2倍くらいは確保しておこう。
◆習慣化する
◇「やらないと気持ち悪い」状態をつくる
「人は物事をくりかえす存在である。したがって、優秀さとは行動によって得られるものではない。習慣になっていなければならないのだ」とは、古代ギリシアの哲学者、アリストテレスの言葉だ。行動を習慣化してしまえば、歯磨きのように「やらないと気持ちが悪い」という心理状態に陥る。仕事や勉強にも「習慣化」の力を利用しよう。