「このまま」今の仕事を続けても大丈夫なのか? あるいは「副業」をしたほうがいいのか? それとも「起業」か、「転職」をすべきなのか? このように感じたとしたら、それは皆さんの考えが正しい。なぜなら、今感じているお金に対する不安は、現実のものとして近づいているからです。無収入となる65歳から70歳、もしくは75歳までの空白期間を、自己責任で穴埋めしなければならなくなる未来が、相次ぐ法改正でほぼ確定しました。
そんな人生最大の危機がいずれ訪れますが、解決策が1つだけあります。それはいますぐ、「稼ぎ口」を2つにすること。稼ぎ口を2つにすれば、年収が増えて、節税もでき、お金が貯まるからです。『40代からは「稼ぎ口」を2つにしなさい 年収アップと自由が手に入る働き方』では、余すことなく珠玉のメソッドを公開しています。受講者は6000人に及び、その9割が成功。さぁ、新しい働き方を手に入れましょう!

【サラリーマンは60%】税金は「金持ち」と「サラリーマン」でなぜ違うのか?Photo: Adobe Stock

世の中には「サラリーマン」と「資本家」の人間しかいない

「資本主義社会には、2通りの人間しかいない」
「サラリーマンと資本家だ」

 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)のグレン・ガンペル前社長が、USJを再建した森岡毅さんに言い放った名言です(『苦しかったときの話をしようか』森岡毅著、ダイヤモンド社)。

 森岡さんの言葉を借りるなら、「サラリーマンが働いて生み出した多額の価値を、その外で資本家たちが山分けしている」ということ。真実を知った森岡さんは、「サラリーマン」の立場でUSJを再建したあと、「資本家」として独立しました。

 このくだりを読んだ瞬間、私は「わが意を得たり!」と思わず膝を叩きました。なぜなら資本家による「搾取の構造」こそ、資本主義の本質だからです。

日本は戦後、サラリーマン大国になった

 2月11日は建国記念日ですが、日本は戦後、初めて外国の支配を受けました。それをきかっけに、日本は世界有数のサラリーマン大国になりました。国際金融資本の意を受けたGHQが財閥解体を行ない、日本から「資本家」を一掃したのです。

 親兄弟も友達もみんな「サラリーマン」になりました。社長でさえ「雇われ社長」なのでサラリーマンです。だから誰も、サラリーマンに違和感を覚えなくなりました。森岡さんのように教えてもらえた運のいい人しか「搾取の構造」に気づけなくなったのです。

資本家の税率は20%なのに、サラリーマンの税率は60%

 これに拍車をかけたのが「不公平税制」です。金持ち、すなわち「資本家」にかけられる税率は、一律20%です。

 一方、サラリーマンの税率は実質60%と、資本家の3倍です(財務省発表の潜在的国民負担率)。60%も引かれれば、お金は貯まりません。

 それでいてサラリーマンには、60%も税金を払っている実感がありません。なぜなら、給与明細に書かれていないからです。

 たとえば課税所得が330万円超なら、所得税は20%です。健康保険や年金保険などは労使折半で15%、住民税は10%ですから、表面税率(税金+社会保険)は45%です(わかりやすく控除等を除外)。

 でも本当は、15%ではなく30%の社会保険を払っています。なぜなら会社が15%払う前提で、裏側で15%引いて、給料の額面を逆算しているからです。「表面税率45%+裏側の税率15%=60%」なので、実質的な税率は60%です。おまけに所得税は「超過」累進課税なので、昇給した分は税金で持っていかれます。

 10%の消費税や、ガソリン税、酒税などもあるので、税率70~80%の人も大勢います。相続税まで含めれば、生涯税率は90%かもしれません。

トマ・ピケティの「r>g」は半分ウソ!?

 フランスの経済学者トマ・ピケティが「r>g」(*1)という公式を発表したとき、全世界が騒然となりました(『21世紀の資本』みすず書房)。

 この不等式は、「資本による富のほうが、労働による富よりも増える」という意味です。だから資本家だけが裕福になり、サラリーマンはお金が貯まらないのです。

 これは半分あっていますが、半分は間違えです。なぜなら、資本家に都合よく「r>g」になる「不公平税制」が本当の原因だからです。「資本による富の税率が20%で、労働による富の税率が60%」だから、「r>g」になったにすぎません。40%も差があれば、「r>g」になるに決まっています。

 だから税率を逆さまにすれば、この不等式は瞬時に「r<g」となります。平等に2割にすれば、「r=g」となります。

 とはいえ、「資本家」に有利な「不公平税制」を変えることは、お金がモノをいう「資本主義社会」の仕組み上、ほぼ不可能です。

お金がなくても簡単に資本家になれる!

 ではサラリーマンは、永遠にお金を貯められないのでしょうか?

 1つだけ解決策があります。「サラリーマン」のまま、「資本家」という2つ目の身分を持てばよいのです。これを「稼ぎ口二刀流」といいます。そうすれば、資本家という稼ぎ口には20%しか税金がかかりません。軌道にのればサラリーマンをやめて、専業の資本家になれます。

 でも、最初はお金がないので、小さな零細資本家から始めましょう。零細資本家は無税に近いので、一石二鳥です。

資本家を兼務すれば、大胆な節税も思いのまま!

 サラリーマンという身分には、「節税」がほぼ認められません。

 でも資本家という2つ目の身分があれば、サラリーマンには想像できない大胆な節税ができます。その結果、逃げていったお金が、あなたのお財布めがけて戻ってくるのです。

 しかも節税すると景気が良くなるので、社会貢献になって一石二鳥です(『なぜ、節税すると景気がよくなるのか?』)。

サラリーマンが資本家を兼務すれば貧困もなくなる!

 私たち日本人は建国以前から、和の精神で助け合ってきた民族です。だから江戸時代の農民でさえ、税率は4割以下でした(四公六民)。飢饉が起これば「お救い米」がほどこされました。「搾取の構造」に組み込まれたのは、最近なのです。

 建国記念日にこそ、そこに思いを馳せてはいかがでしょうか。

 もちろん、今さら資本主義はやめられません。だからこそ、すべてのサラリーマンが資本家という2つ目の身分を兼務するのです。

 そうすれば「不公平税制」も無害化されます。「搾取の構造」が相殺され、貧困もなくなります。それこそが、和の精神で助け合ってきた私たち日本人が進むべき道なのではないでしょうか。「稼ぎ口二刀流」なら、誰でも資本家になれるのです。

*1 r=r資本の平均年間収益率 g = 経済の成長率

**本記事は、『40代からは「稼ぎ口」を2つにしなさい 年収アップと自由が手に入る働き方』著者による書き下ろしです。