誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』から生まれた『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる。voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!
大切な人が離れていって寂しい……
大切な人と離ればなれになることって、ありますよね。恋人と別れた、死別した、単身赴任することになった、子どもが遠くの大学に入ったり結婚したりして家を出ていった……などなど、いろんなパターンがあると思います。
仏教に「愛別離苦(あいべつりく)」という言葉があります。これは親子・兄弟・夫婦など、愛する人と別れる苦しみや悲しみのことです。「四苦八苦(しくはっく)」するという言葉がありますけれど、「愛別離苦」はこの言葉にある「八苦」の1つとされています。
楽しい思い出をあえてふり返る
アテクシ自身も大切な人を亡くしたり別れたりして、とても苦しい思いをした経験はありますが、そういうときに、どうしたら気持ちを切り替えられるか、ちょっとはマシになるのか? 1つは、過ぎ去った楽しい思い出をあえてふり返ってみることです。
離ればなれになった直後は切ない気持ちに苛まれて、とてもそんな心境になれないと思うかもしれません。それでもちょっと温かいような切ないような記憶を呼び起こして、その思い出に「ありがとう」と感謝の気持ちを捧げつつ、思い出に浸るのです。
苦しいときこそ語りかけてみて
もう1つは、離れていった大切な人を呼び起こすことです。死者の霊魂を憑依(ひょうい)させるイタコのような話ではなく、あくまでも心のなかで「おかげさまで、楽しく暮らしているよ」「いまこんなことで困ってるんだ」なんて報告・相談しながら、想像上で会話をしてみるんです。
大切な人と離ればなれになる1番の苦しみは、いまを一緒に共有できないこと。ならば、頭のなかで想像するだけでもいいし、なにか思い出の品や写真あるのなら、それに語りかけてもいいでしょう。
思い出して泣いたっていいんです。心の苦しみをひたすら我慢せず、語りかけることで向き合っていく。もし、魂(たましい)のようなものがあるとしたら、自分のそばでコミュニケーションをとれるかもしれない。そんな淡い期待も込めながら、苦しいときこそ、語りかけてみてください。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。