頑張っているのに成果が出ない。どうすればいいのか、途方にくれる人も少なくないだろう。そんな人におすすめなのが、『1位思考──後発でも圧倒的速さで成長できるシンプルな習慣』。「週刊ダイヤモンド」「トップポイント」など数々の書評で絶賛。創業9年目で売上300億円にしたアンカー・ジャパンCEOの猿渡歩氏、初の著書だ。猿渡氏は「適度にサボると生産性は上がる」という。27歳入社→33歳アンカーグループ最年少役員→34歳アンカー・ジャパンCEOになった著者が、参入したほぼ全製品カテゴリーでオンラインシェア1位になった秘密は、シンプルな6つの習慣にあった。本書の一部を抜粋しながら急成長の秘密を明らかにしていこう。
思考すればするほど地頭力は向上する
「地頭力」は自分で考える力だ。
アウトプットの質はインプット×地頭力で決まり、地頭力は思考回数の蓄積で決まる。
短期的には手持ちの知識でもアウトプットはできるが、中長期にわたって質の高いアウトプットをし続けるには、新しいインプットが常に必要になる。
『1位思考』の中でも触れたが、私は2年前からツイッターを始めた。
ツイッターはアウトプットの極みだ。
インプットが足りないとつぶやくことがなくなる。
私は過去の蓄積だけをつぶやいているわけではない。
日々新しいインプットに刺激を受けてつぶやくことも多い。
ツイッターのつぶやきは、インプットの重要性を身近に実感できるものだ。
インプットとアウトプットは両方をバランスよく行うと頭が冴える。
テスト勉強がうまくいかない人は、インプットに偏りがちなことが多い。
ある程度勉強したら、早めに過去問を解く、というアウトプットをしたほうがいい。
そうすると、自分に必要なインプットがより明確になる。
地頭力は、一朝一夕には絶対に向上しない。
限界まで頭をひねった経験数が重要で、思考すればするほど地頭力は向上する。
応募者の地頭力を試す質問
私は採用面接で応募者の地頭力を試すような質問をすることがある。
フェルミ推定(知識として持っていない数字を、論理的思考力を頼りに概算)など、候補者の経験よりも思考プロセスに注目する質問だ。
こういう問いをするときは、正解を聞きたいわけではない。
仮説を立てたり、物事を構造化したり、分解したりする力を見ている。
履歴書や職務経歴書の内容も大事ではあるが、それらはすべて過去の情報である。
それよりは未来、つまり入社後に私たちが期待している役割が果たせそうかのほうが重要ではないだろうか。
ビジネスの9割はアドリブ(即興)。
志望動機などの定型の問いを準備することも大事だが、普段から訓練してきた思考力の蓄積である地頭力はより重要なはずだ。
その瞬間の混沌を楽しみつつ、どのように思考し、どんな提言をできるか。
ビジネスは往々にしてそうなのだから。
(本稿は『1位思考』の一部を抜粋・編集したものです)