本書の要点

(1)三流はなんとなく聞き、二流は「自分」に意識を向けて聞き、一流は第二ポジションで聞く。相手の話を聞くときは、自分のことを考えるのではなく、相手に意識を向けよう。
(2)意見を言うとき、三流は相手より先に言い、二流は相手と同時に言い、一流は常に後出しをする。相手のニーズを聞いてから、要望に合わせた提案を口にするのが一流だ。
(3)三流は話泥棒をし、二流は質問をして、一流はオウム返しして待つ。相手が話している間は、言いたいことがあってもグッとこらえるべきだ。

要約本文

◆「聞く」と「話し上手」になる理由
◇共感サインを送りながら聞く

 相手の話を聞くとき、三流は話の内容だけ聞き、二流は理解を示すために聞き、一流は共感サインを送りながら聞く。

 あなたは、話をしている相手から「聞いてる?」と言われた経験はないだろうか。こうした注意をされる人は、話の目的を「情報伝達」だけだと勘違いしており、相づちさえ打っていればいいと思っていることが多いものだ。だが、聞き方でもっとも大事なのは、相手に「私の話をきちんと聞いてもらえている」「私の気持ちを受け止めてもらえた」と感じてもらうことである。

 一流は、視線を合わせる、表情を変える、うなずくなど、相手に「しっかり聞いているよ」というサインを送る。話している相手に対する共感サインは、信頼関係を築く上で必要不可欠だ。

◇聞くことを大事にする

 話し上手になろうとするとき、三流は何を話したら良いのか悩み、二流は話すのには困らず、一流はトークよりも聞くことを大事にする。

 著者はかつて、まったく売れない営業だった。売上トップの人の商談に同行し、営業トークを真似していたにもかかわらず、全然売れない。悩んだ著者は心理カウンセラー養成講座の門を叩いた。