今回紹介するのは神奈川県横浜市にある「情報セキュリティ大学院大学」。学部を持たない大学院のみの大学院大学であり、土曜日と夜間にも講義を行なう、大学院設置基準14条特例を利用した大学院である。
所在地は神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町。横浜に住んでいるひとならばピンとくるだろう。企業のオフィスビルやデパートなどが集中する屈指の繁華街、通称「横浜駅西口」の一角を本拠とする。実際、出口さえ選べば、JR、私鉄、地下鉄、バスが集中する交通のハブ、横浜駅から徒歩1分なのである。通勤先が東京、住所が横浜という多くの横浜市民にとって、通勤経路の中に組み込むことは難しくないだろう。
設立主体は学校法人岩崎学園である。これも横浜ではよく名を知られた、幼稚園、6校の専門学校を運営する学校法人である。情報セキュリティ大学院大学はアドバイザーに横浜と東京の産業界を中心としたVIPが名を連ねる大学院として誕生。学校運営に心配が要らない大学院である。
研究・教育の内容は情報科学技術、特に情報セキュリティ技術と、その基礎である社会システムとしての法制が1つの芯となっている。IT社会の元で情報セキュリティに特化した、文理融合型の大学院といっていい。カタカナを含む大学名は、時代の要請に応えた大学院の証拠である。
ユニークなのは、博士前期課程が2年制と1年制の2本立てであることだ。2年生のほうは修了要件単位が30単位以上で、修士論文審査および最終試験を経て修了。1年制は所要単位が46単位以上で、リサーチペーパーと最終試験で修了となる。
アカデミックな大学院の修了方式と、プロフェッショナルスクール型の方式が併用されている。働きながら2年で修了も、1年休職して一気に修了も、都合に合わせてプランできるのは、社会人のニーズに沿っている。講義は平日ならば18時20分以降に第5限、第6限の講義があり、土曜日は5コマ。社会人にも無理がない。
さらには、博士後期課程を設置していることも注目だ。学部卒の人間ならば、博士号取得までの一貫した計画が作れることがメリットになるだろう。また、他大学で修士号をすでに得た人間にとっては、論文博士よりも確実なスケジュールが取れる、課程博士の道として考慮に値する。
入学時期は4月と10月の2回ある。学費は前期課程3年制の初年度が150万円、1年制は230万円。大幅な学費免除がある特待生制度があるが、こちらは大卒見込み者が対象である。