頑張っているのに成果が出ない。どうすればいいのか、途方にくれる人も少なくないだろう。そんな人におすすめなのが、『1位思考──後発でも圧倒的速さで成長できるシンプルな習慣』。「週刊ダイヤモンド」「トップポイント」など数々の書評で絶賛。創業9年目で売上300億円にしたアンカー・ジャパンCEOの猿渡歩氏、初の著書だ。猿渡氏は「適度にサボると生産性は上がる」という。27歳入社→33歳アンカーグループ最年少役員→34歳アンカー・ジャパンCEOになった著者が、参入したほぼ全製品カテゴリーでオンラインシェア1位になった秘密は、シンプルな6つの習慣にあった。本書の一部を抜粋しながら急成長の秘密を明らかにしていこう。
地頭力が向上する方法
本書で触れたとおり、地頭力とは思考回数の蓄積だ。
人間の脳は、質問されると考えるようにできている。
だから、自分で問題をつくって自分で質問する。
これなら、問題をつくる能力も育め、一石二鳥だ。
飲食店に入ったら店内の様子、メニュー、従業員など見ながら、
「この店はどれくらいの利益が出ているのだろう」
「客単価5000円、1日40人来店するとして、25日営業すると月の売上は500万円。経費は◯円くらいだから利益は◯円くらいだろう」
などと考えてみる。
スタバで地頭力を鍛える
スターバックス コーヒーに行ったら、
「One More Coffeeは1杯目の半額以下だが、どんな目的で導入されているのだろう」
と考えてみる。
One More Coffeeとはスターバックスでドリップコーヒーを購入した際のレシートについてくるクーポンで、当日中に限り2杯目が割安で楽しめるサービスだ。
たとえば、次のような5つのステップで考えてはどうだろう。
1 そもそも2杯目価格は165円(店内税込価格)でも利益が出ている
2 登録済スターバックス カードで払うとさらに安く110円(店内税込価格)になるのでCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)効果もある
3 ヘビーユーザーは2杯分の平均価格で考えるので「お得」に感じられる
4 2杯目は飲まれなくても店側に損失はまったくない
5 競合に離反するリスクも間接的に下げられる
ウーバーで地頭力を鍛えよう
ウーバーイーツを頼んだときは、
「数ある出前サービスの中で支持されている理由は何だろう」
と考えてみる。
ウーバーイーツは競合サービスに比べてUI(ユーザーインターフェイス)がすばらしく、配達中のドライバーがどこにいるかという位置情報がアプリ上でわかりやすく表示される。
もちろん出前は早く届いたほうがいいだろう。
だが、30分が25分に縮まるより、いつ届くかわからないストレスがない分、数分だけシャワーに入れそうだと思えるメリットのほうが大きいかもしれない。
そうやって自分なりの解を日常で考えられる人は思考的にもタフになっていく。
「なぜそうなるのか」――前提自体を疑える人、疑えない人
私が自問自答するようになったのは、就職活動でOB訪問した際、先輩から「地頭を鍛えるといい」
という話を聞いてからだ。
問いに対する答えを考えるだけでなく、
「なぜそうなるのか?」
を自分で咀嚼できるところまでやる。
そうすると、「そもそも前提はそれでいいのか」という前提自体を疑う力がつく。
あなたが社内である仕事を引き継いだとき、
「なんでこんなに効率の悪い方法でやっているのか」
と聞くと、
「前の人もこうやっていた」
と答える人がいないだろうか。
そこでいったん、前の人のやり方は本当にベストなのかと考え、見直してみよう。
もう一つ大事なことは目的意識を持つこと。
不思議なもので、目標達成の意識を持つと、目標へのアンテナ感度がよくなり、目に入るもの、耳に聞こえてくるもの、あらゆるものがそのテーマに関連づけられてくる。
何を見ても聞いても読んでも、すべてが目標達成に結びつくようになる。
すると、1を聞いて1以上のことを学べるようになるのだ。
(本稿は『1位思考』の一部を抜粋・編集したものです)