開成・麻布・灘・筑波大駒場・渋谷幕張…。東京・吉祥寺の進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないのに有名難関校に続々合格させると話題の塾だ。男女別カリキュラムを取り入れたロジカルで科学的な学習法は、保護者から圧倒的な支持を集めている。本連載では、VAMOSの学習メソッドが凝縮されたロングセラー『男の子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、子どもの計画・理解・反復・習慣のプロセスを体系化した「男の子の特性」に基づく学習法をお伝えしていく。

男の子の学力の伸ばし方Photo: Adobe Stock

スケジュールの中にバッファを組み込む

 子どもの勉強について、余裕のまったくない計画を立ててはいけません。

 今の子どもたちはとても忙しく、ぼーっとしている時間などほとんどありません。

 学習塾のみならず、スポーツや音楽などを習うために、学校から帰ったらなにかの教室に通っています。

 子どものキャパシティから考えたら、忙しいビジネスパーソンよりもはるかに多忙な日々を過ごしています。

 そこに加えて、受験勉強の計画までみっちり入れ込んでしまったら、もうパツパツになってしまいます。

 バッファがなければ、なにか1つずれ込んだときにカバーできません。

 それは大人たちのビジネスも同様。仕事ができる人は、「なにか起きたときにフォローできる余裕」を考慮しているはずです。子どもにも、そういう余裕は必要です。

長期計画より「ノルマ」を決める

 男の子には、計画よりも「ノルマ」を意識させるといいでしょう。

「今週は、毎日、漢字を30個ずつ書く」
「今日は、計算問題を20問解く」

 こうして、数字で「今やるべき目先のこと」をわからせて、それを積み重ねさせると、男の子の学力は伸びます。

 私はよく、「勉強に感情を入れるな」と言っています。気分に左右されず、無心になってノルマをこなすくらいの感覚で、ちょうどいいのです。

 中学の入試に500問の問題が出るとしたら、その500問が全部正解なら確実に合格します。

 実際には、もっと少ない正解数で合格しますが、いずれにしてもその水準まで行けばいいわけです。

 男の子には合格のベンチマークとなる数字を、ノルマとしてこなさせることがなによりも必要です。