最初に、理解しておくべきことが二つあります。それは今現在のモーニングサービスの内容と、過去のモーニングサービスの歴史です。

 まず、足元の飲食業各社のモーニングの内容についておさらいしてみましょう。

安すぎ!日本のモーニング
アメリカで食べると5倍の値段

 わが(?)名古屋が誇るコメダ珈琲店では開店から午前11時まで、コーヒーなどのドリンクを注文したお客様には無料でトーストないしはパンと、サイドメニューとしてゆで卵、たまごペースト、おぐらあんの三つのうちの一つが無料でついてきます。

 私がコメダに出かけるときは、460円のアメリカンを注文したうえで厚切りトーストにバターを塗ってもらって、ゆで卵をセットにしてもらいますが、だいたいこれで朝ごはんとしては十分な量になるものです。

 つぎに、ここがこの話題の面白いところでもあるのですが、ファミレスのメニューをみるとコメダ珈琲よりも割安な価格のモーニングを提供しているチェーンが散見されます。

 ファミレスのびっくりドンキーの東京のメニューでは、コメダで私が食べるのと同じ“ホットコーヒー、バターつきのプレーントーストとゆで卵”のセットが330円です。

 デニーズでは、トーストとゆで卵のトーストモーニングにドリンクバーセットをつけると470円。コーヒーが何杯もおかわりできたりオレンジジュースや健康野菜ジュースも飲めたりすると思うと、コメダやびっくりドンキーよりもお得かもしれません。

 ちなみにデニーズの場合、セレクトモーニングというもう一段上のメニューがあります。これはベーコンエッグとソーセージ、サラダにパンケーキをつけてドリンクバーを楽しめるというかなり豪華な朝食メニューで、価格は660円です。

 この価格ですが、インフレに苦しむアメリカ人に話を伺うと「信じられないくらい安い!」と本当に驚愕(きょうがく)するぐらい、日本のモーニングは安いのです。私も昨年末、3年ぶりに出かけたアメリカで日本のモーニングと同じ朝食メニューを注文したところ、支払いはなんと2300円。前述したコメダの5倍もかかります。日本のモーニングは安すぎるのです。

 そんなこともあって、日本をインバウンドで訪れる外国人は日本を大好きになってくれているのですが、今回問題にしたいのは「これほどの驚きの価格が、この先も維持できるのかどうか?」という話です。そのモーニングの未来を考えるためのもう一つの要素として、モーニングの歴史について振り返ってみたいと思います。