頑張っているのに成果が出ない。どうすればいいのか、途方にくれる人も少なくないだろう。そんな人におすすめなのが、『1位思考──後発でも圧倒的速さで成長できるシンプルな習慣』。「週刊ダイヤモンド」「トップポイント」など数々の書評で絶賛。創業9年目で売上300億円にしたアンカー・ジャパンCEOの猿渡歩氏、初の著書だ。猿渡氏は「適度にサボると生産性は上がる」という。27歳入社→33歳アンカーグループ最年少役員→34歳アンカー・ジャパンCEOになった著者が、参入したほぼ全製品カテゴリーでオンラインシェア1位になった秘密は、シンプルな6つの習慣にあった。本書の一部を抜粋しながら急成長の秘密を明らかにしていこう。
アンラーニングの9割は何から始まる?
私の場合、いくつかの失敗によってアンラーニングの重要性を実感した。
アンラーニング(「学び捨て」「学びほぐし」ともいう)の9割は失敗体験からスタートする。
過去を捨て去るのは難しい。
だが、痛い目に遭い、「これまでのやり方ではダメなんだ」と心底思い知ることがアンラーニングのきっかけとなる。
以前、コンサル時代のやり方でファンドの仕事を行い、重要なポイントを見落としたことがあった。
生産性の低い部門の改善を試みた際、作業工程を改善することで課題解決を図ろうとした。
しかし実際には人事面に問題があった。
優先度の低い業務に気を取られ、大量の残業が発生したことが生産性の低下につながっていた。
当時の私には大局観がなく、近視眼的に問題をとらえてしまった。
会社は弱いところに症状が出るが、真の原因は別のところにあることが多いと学んだ。
アンカー・ジャパン入社後、痛い目に遭った経験
アンカー・ジャパン入社後も痛い目に遭ったことがある。
大手ECモールのロボット掃除機部門の数量シェア1位を獲得するまで、当初予定よりだいぶ時間がかかってしまった。
モバイルバッテリー部門でシェア1位を獲得したときと似たやり方で取り組んだが、過去の成功体験が裏目に出た。
モバイルバッテリーとロボット掃除機では、製品特徴も単価もまったく違う。
モバイルバッテリーではスペックと価格を打ち出すことが有効だったが、ロボット掃除機では吸引力などのスペックより購入後の安心感を伝えることも重要だった。
お客様が商品のどこに着目しているかでキャッチコピーも一つひとつ変えなければならなかったのだ。
(本稿は『1位思考』の一部を抜粋・編集したものです)