3万円と答えた人は、1年後にもらえる1万円は今日では2500円の価値しかありません。1万5000円と答えた人は4000円の価値と考えます。ポーポーでは32名にこの質問をしたところ平均1万9781円になりました。最も多かった上乗せ金額は1万円でした。

知るとお金が増える心理効果

●節約を遠ざけてしまう心理効果がある

 お金を増やすには、収入を増やすと同時に、支出を減らす方法がありますが、この節約がうまく機能しないことがわかっています。

 たとえば、みなさんはよく行くレストランで、いつも同じものを注文していませんか? 新しいメニューに挑戦してみたいと思うものの、いざ注文するといつも同じものを注文してしまいます。他にも節約したいとは思っていても、頻繁にプロバイダーの契約を見直したり、スマホのプランを積極的に確認しないのではないでしょうか。

 人は商品やプランが変わることで、より自分にメリットがあることを感じていたとしても、積極的に「変化」を選ばない傾向があるのです。これを「現状維持バイアス」といいます。お金を増やすためにはこのバイアスの存在を知って、積極的に変化を選ぶことが求められています。

●バイアスを機能させようとするメーカー

 もし人がこのバイアスを破って、どんどん安いプランに乗り換えられると企業は大きな利益を出せません。そこで企業側もバイアスを働かせる工夫をしています。

 新商品は単純に以前のプランと比較して、「安い」と比較できない複雑な提案をしてくることがあります。これはより、変えるのは面倒だと思わせ、現状維持バイアスが働くようにと考える企業側の施策なのです。

支払う方法が違うと、心の痛みは変わる

●クレカでは買い物額が大きくなる

 経済活動が心理的な影響を大きく受けている現状を考えると、お金を増やすためには、支出時の感情を知ることは大切だと考えられます。

 支払いと心の痛み、購買傾向に関する研究は世界で進められており、支払いをするときは、同じお金であっても、現金かクレジットカードかで、心に感じる痛みは大きく異なります。クレジットカードによる支払いは、現金に比べて支払ってもよいと考える金額が高くなります。