最強の投資先は、じつは「自分」

●減少傾向の生涯所得

 投資というとパソコンの前に座ってチャートとにらめっこをする、専門家に任せて自分は悠々とした生活を送るといったイメージがあるかもしれません。

 しかし、投資はそれだけではありません。「ヒューマン・キャピタル」という、人がもつ知識や技術を資本と捉える考え方があります。つまり、自分自身への投資です。

 会社員の生涯賃金は3億円といわれていますが2018年の試算(※)では60歳までフルタイム正社員として同一企業で働く場合、大卒で男性が約2.9億円。女性は約2.4億円となっています。1993年の試算、大卒男性3.2億円をピークに数千万円減少しています。

 今後、景気が徐々に回復することがあっても、急激に伸びることは期待できません。さらに生涯支出は年々上がっていると推測されており、生活が苦しくなるのは当たり前なのです。

※独立行政法人 労働政策研究・研修機構:「ユースフル労働統計 2020」(退職金・年金を除く)

●最強の投資術

 ここで考えてみてください。損を出したり、利益を生んだり、不安定な投資で1千万円を稼ぐことはとても難解なことです。

 つまり、一般的な投資活動より自分の生涯賃金期待値を1千万円高めるほうが、効率的な最強の投資ともいえます。私たちは自己投資をして自分を磨くことが大切です。次項目でどんな自己投資がよいか考えてみましょう。