給与収入だけで老後資金をまかなえるのか不安に思う人が増えている。多くの人にとって「投資」が避けて通れない時代になってきた。資産を増やすという点で大きな選択肢の1つになるのが株式投資だ。「株投資をはじめたいけど、どうしたらいいのか?」。そんな方に参考になる書籍『株の投資大全ーー成長株をどう見極め、いつ買ったらいいのか』(小泉秀希著、ひふみ株式戦略部監修)が3月15日に発刊される。「ひふみ投信」の創始者、藤野英人氏率いる投資のプロ集団「ひふみ株式戦略部」が全面監修した初の本。株で資産をつくるためには、何をどうすればいいのか? 本連載では、特別に本書から一部を抜粋・編集してその要旨をお伝えしていく。
資産を何倍にも増やしてくれたり、
配当を増やし続けてくれる会社は、たくさんある
前回お伝えしたファーストリテイリング、パン・パシフィック・インターナショナル・ホールディングス、神戸物産の3社ほどすごい成果を上げている事例は一握りではありますが、資産を何倍にも増やしてくれて、配当を増やし続けてくれる会社はたくさんありますし、それらは私たちの身の回りに存在します。
優れたノウハウ・技術などの事業基盤を持ち、優れた経営者と従業員が高い目標に向かって日々努力している会社は、長期的に驚くような成果を上げるものです。
そうした会社の株を探して割安な値段で投資できたら、配当を含めて長期的に大きな投資成果を得ることができます。
こんな大きな可能性を秘めた金融商品が他にあるでしょうか。
若い人ほど無駄遣いせずに、お金ができたら株を買うことをおすすめします。若いころから投資や経済の勉強をして、良い会社を探して、コツコツ買っていくということをしたら、とても豊かな人生を送れることでしょう。
もちろん、年配の人にとっても株式投資はとても有意義なことです。人生経験が何よりも活かせるのが株式投資だからです。どんな会社が有望な会社なのかを見抜くのは、どんな人が将来有望な人なのかを見抜くのと共通点が多いです。
なんといっても人生100年時代です。何歳から始めても先は長いです。楽しんで学びながら資産を増やしていきましょう。
どうやって成長株を見極めて、どう買ったらいいか
私自身、今まで本当に良い株をたくさん選んで投資してきましたし、良い会社からの恩恵をたくさん受けてきました。
しかし、後悔していることもあります。それは、「ものすごく良い株を選びながら、数倍程度の上昇で喜んで売ってしまい、その後、何十倍にもなるのを指をくわえて見ているしかない」という悔しい経験を何度もしてきたことです。
もちろん、買った株の全てが良い株だったわけではありません。
「売って良かった」という株だってたくさんありました。失敗と認識したら損切り(損失確定の売り)することも大事なことです。
しかし、それ以上に、せっかく優れた会社の株に投資したのに、その恩恵を十分に享受できないことは残念なことです。いつの時代でも大きく成長する株は、次々と出てくるものです。
しかも、それは私たちの身の回りからです。ぜひそうした会社を探し、少しずつその株を買いながら資産形成に役立てていきましょう。
そこで問題になるのが、どうやって成長株を見極めるか、どういうタイミングや水準でその株を買ったらいいかです。私は長年、株式ライターをやりながら、その答えを常に探り続けてきました。
優秀な投資家や専門家の方たちからは、できるだけ多くのノウハウや考えを吸収しようとしてきました。そうした姿勢で何冊も株式投資の本の作成に携わってきました。幸いなことに、『めちゃくちゃ売れてる株の雑誌ZAiが作った「株」入門』をはじめ、ヒット作にも多く恵まれました。そのようにして、私がこれまで求め続け、書き続けてきたノウハウのエッセンスを本連載では公開していきます。
株式投資で大切なことは、まずは、成長性の高い株を見極めること。そして、それを割安な水準で買って、長く保有することです。ものすごく成長性の高い株を、ものすごく割安な水準で買うことができれば、とても大きな投資成果を得られる可能性があります。
本連載を通じて、読者の皆さんには、ぜひ株式投資の面白さ、そして、成功への手順とイメージが伝われば幸いです。
株式・金融ライター
東京大学卒業後、日興證券(現在のSMBC日興証券)などを経て、1999年より株式・金融ライターに。マネー雑誌『ダイヤモンドZAi』には創刊時から携わり、特集記事や「名投資家に学ぶ株の鉄則!」などの連載を長年担当。『たった7日で株とチャートの達人になる!』『めちゃくちゃ売れてる株の雑誌ザイが作った「株」入門』ほか、株式投資関連の書籍の執筆・編集を多数手がけ、その累計部数は100万部以上に。また、自らも個人投資家として熱心に投資に取り組んでいる。市民講座や社会人向けの株式投資講座などでの講演も多数。
ひふみ株式戦略部
投資信託ひふみシリーズのファンド運用を担うレオス・キャピタルワークスのメンバーにより構成された本書監修プロジェクトチーム。
ひふみ投信:https://hifumi.rheos.jp/