子どもたちが生きる数十年後は、いったいどんな未来になっているのでしょうか。それを予想するのは難しいですが「劇的な変化が次々と起きる社会」であることは間違いないでしょう。そんな未来を生き抜くには、どんな力が必要なのでしょうか? そこでお薦めなのが、『世界標準の子育て』です。本書は4000人を超えるグローバル人材を輩出してきた船津徹氏が、世界中の子育ての事例や理論をもとに「未来の子育てのスタンダード」を解説しています。本連載では本書の内容から、これからの時代の子育てに必要な知識をお伝えしていきます。
絵本の読み聞かせ中のコミュニケーションを有効に使う
絵本の読み聞かせは「聞く力」を育てる上でも最高の取り組みです。
お母さんが絵本を読んであげると、子どもは安心してお母さんの言葉に聞き入ることができます。
絵本の世界に入り込むと、登場人物に感情移入して、喜びや悲しみを共有することを学びます。この経験が「共感して聞く力」を育てます。
読み聞かせをする時はコミュニケーションを意識して、途中で子どもが「なんで?」「これどういう意味?」と聞いてきたら、「ママ(パパ)はこう思うけど、◯◯ちゃんはどう思う?」「ウサギさんはどんな気持ちだったのかな?」と子どもに聞き返してください。
「読み終わったら説明してあげるね!」などと、本を最後まで読むことを優先する必要はありません。
子どもに疑問が生まれた時は、「思考力を伸ばすチャンス」と捉え、質問返しをして深く考えるように導いてください。
また、絵本を読みながら子どもの心の動きを察知して「悲しいね」「嬉しいね」「痛かったね」などの言葉を加えて「共感性」を高めてあげることも大切です。
聞く力が備わっていない場合は家庭で予習を
「聞く力」が育っている子どもは小学校の授業で苦労しません。
人の話を真剣に聞くことができる子は集中力があり、1回の授業、1回の会話で大事なことをどんどん学んでいけますから、吸収力が非常に高いのです。
一方、「聞く力」が育っていない子どもは、すぐに集中力が切れ、眠くなってしまいます。授業の後にどんな内容だったのかさっぱり覚えられないのです。
このように、小学生に入った子どもに「聞く力」が育っていない場合は、家庭で授業内容を予習させてください。
前日の夜に教科書を読ませて、大まかな内容を把握させておくのです。読むことが苦手な子どもには親が教科書を読んであげても構いません。
予習すると、先生の話を聞いた時にイメージしやすくなり、内容への理解が深まります。すると、集中力を維持しながら授業を聞けるようになります。