飲酒は? 喫煙は? 肥満は? ストレスは?
本当に脳に悪いこと、いいことは何だろう?

脳の若返りと認知症治療の専門医・白澤卓二医師は『長寿脳──120歳まで健康に生きる方法』で、現代人の願いである健康長寿を脳から実現するノウハウを提案する。認知症にならずに体も長持ちさせるためには、40代からの脳のケアが大切だと著者はいう。本書では世界最新の医学で明らかになった認知症予防・改善策と、その研究からわかった脳のパフォーマンスを上げるために必要な生活習慣とは?

寿命を縮めないために、捨てたほうがいいものって?Photo: Adobe Stock

それは疲れてまでする価値のあることか

 女性に多いのは子どもの教育疲れと親の介護疲れです。子どもをいい学校に入れなきゃとか、よその子と同じくらいに習い事をさせなきゃとか。親の介護を他人に任せるなんてみっともないとか、人まかせにすると費用がかかってもったいないとか。女性だけが負担を背負うのはどうかと思いますが、今のところ子育てと家族の世話で疲弊しているのは、私が診療の場で見ている限り、ほとんどの場合が女性です。

 子どもの成長時期と親を介護する時期が重なることも多いでしょう。子どももお年寄りも自分の思うようにならないし、自分が言ったことを理解してくれないことも多いですよね。子どもと親の面倒を見るだけでなく、仕事もしていたら目が回るほど忙しいはずですし、体力も限界なのでは? 自分が休養することは後回しになって、気づいたら自分の時間を持てたのはいつのことだったか思い出せなくなっている人も多いのではないでしょうか。常にストレスフルで心に余裕が持てないのも仕方がないと思います。

 これにはどう対処するか? 原因を解析して可能な手段を見つけて、今の最悪な状況から脱却するのがベストです。ですがこれを実行するのも相当に難しいですね。一筋縄ではいかないミッションですが、自分を守るためには、背負っている荷物を少しでも下ろさないと自分が消耗するだけです。

しがらみを抜きにして考える

 子どもと親の世話に関する問題は、世間体や人間関係のしがらみを抜きにして考えると解決できることが多いです。世間体としがらみでがんじがらめになるのは、自分の寿命を縮めているようなものですから、この際、世間体とか、よそと同じようにしなければといった常識的な考え方にとらわれずに、どうしたら自分が疲れないかをじっくり考えてみてはいかがでしょう。

「子どもの成績がよくないと悪いことは?」「子どもにとって習い事は本当に必要?」「子どもの面倒を見るのは母親だけの役割?」「ピンチのときに手伝ってくれる人を確保するには?」「親の介護を他人に任せるのは悪いこと?」「介護できるのは本当に自分だけ?」「介護に使える助成金を申告するのはみっともない?」「家族が認知症だと近所の人に知られたくない?」

 こうした自問自答をすることで、解決法が見つかると思います。

本原稿は、白澤卓二著『長寿脳──120歳まで健康に生きる方法』からの抜粋です。この本では、科学的に脳を若返らせ、寿命を延ばすことを目指す方法を紹介しています。(次回へ続く)