飲酒は? 喫煙は? 肥満は? ストレスは?
本当に脳に悪いこと、いいことは何だろう?

脳の若返りと認知症治療の専門医・白澤卓二医師は『長寿脳──120歳まで健康に生きる方法』で、現代人の願いである健康長寿を脳から実現するノウハウを提案する。認知症にならずに体も長持ちさせるためには、40代からの脳のケアが大切だと著者はいう。本書では世界最新の医学で明らかになった認知症予防・改善策と、その研究からわかった脳のパフォーマンスを上げるために必要な生活習慣とは?

「7時間睡眠がベスト説」を疑ってみるPhoto: Adobe Stock

理想の睡眠時間は7時間でいいのか?

 7時間くらい眠れば健康的と思っている人が多いと思います。それは数十万人とかのレベルで睡眠時間を調査して、死亡率が低いのは7時間くらい眠っている人だったという調査結果から得た情報が広まっているからです。

 でも実際に目の前の人が何時間眠ったら長生きできるかというのは、正直なところよくわかりません。4時間眠れば十分という人もいるし、9時間以上眠らないと足りないという人もいるわけですから。

 私は毎日5時間くらいしか寝ていませんが、4時間でも足りるかもしれないと思っています。5時間睡眠では少ないのではと思う人が多いかもしれませんが、5時間眠ると自然に目が覚めて、起きてすぐのときが1日のうちでもっとも集中力が高まっているのを実感しています。その後は時間の経過とともに集中力が落ちてきて、夕方以降は脳のパフォーマンスが落ちてきたことを感じます。

本原稿は、白澤卓二著『長寿脳──120歳まで健康に生きる方法』からの抜粋です。この本では、科学的に脳を若返らせ、寿命を延ばすことを目指す方法を紹介しています。(次回へ続く)