儲かる農業 下剋上#13Photo:Patricia Marroquin/gettyimages

中国勢が出資する農業法人などが、日本の農地26ヘクタールを取得していることが分かった。英国などでは外資の農地買収を規制する法律が整備されているが、日本政府の動きだしは鈍い。特集『儲かる農業 下剋上 ピンチをチャンスに』の#13では、外資が関わる農地、森林買収の実態や、欧米における土地買収に対する規制の動向を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)

中国「軍民融合」への脅威論が浮上
英国に続き米仏も外資規制強化へ

 農業参入のハードルがまた一つ下がった。企業の農地取得を制限する規制が緩和されるのだ。規制の緩和を求める地方自治体が国に申請し、構造改革特区に指定されれば、企業の農地所有が可能になる。

 この規制緩和は農業振興の面からは歓迎すべきものだが、別の観点からの懸念がある。外国資本による農地所有が増えかねないのだ。

 次ページでは中国をはじめとした外国資本が関わる農地、森林買収の実態や、英国などにおける外資の土地買収に対する規制の動向を明らかにする。