男女平等が進むほど男女とも“長生き”に?「女性の得は男性の損」を否定する研究結果Photo:PIXTA

 男女平等が進むほど、性別を問わず人々が長生きになる可能性を示唆する研究結果が報告された。英インペリアル・カレッジ・ロンドン(ICL)のCat Pinho-Gomes氏らの研究によるもので、詳細は「PLOS Global Public Health」に3月6日掲載された。

 人の寿命の長さに関連のある多くの因子の一つとして、性別が挙げられる。一般に女性は男性よりも長寿であることが多い。そのような寿命の性差が、生物学的な要因ではなく社会学的な要因によるものであるとしたら、男女平等が進んでいる国ほど、寿命の性差が小さい可能性がある。これを背景としてPinho-Gomes氏らは、世界経済フォーラム(WEF)による、世界156カ国のグローバルジェンダーギャップ指数(GGGI)と平均寿命との関連を検討した。

 GGGIは経済、教育、健康、政治という四つの領域のデータを基に算出される。ただし、本研究では寿命との関連を検討するという目的のため、健康に関するサブスコアを除外して改変した指数(mGGGI)を用いた。また、平均寿命は世界銀行が公開しているデータを用いた。