おひとりさまの老後には、現役時代には見えにくい落とし穴がある! それも踏まえた、お金&老後対策は必須です。男性の3.5人に1人、女性は5.6人に1人が生涯未婚と、独身者は急増中ですが、税金や社会保険などの制度は結婚して子どもがいる人を中心に設計されており、知らずにいると独身者は損をする可能性も。独身者と家族持ちとでは、本来お金についても老後対策についても「気を付けるべきポイント」が違います。独身者がひとりで楽しく自由に生きていくためにやっておくといい50のことを税理士の板倉京氏が著した「ひとりで楽しく生きるためのお金大全」から、一部を抜粋して紹介します。

おひとりさまの老後の住まいとして注目される新たな選択肢とは?Photo: Adobe Stock

老後の新たな選択肢
「シニア向けコレクティブハウス」

「老後ひとり暮らしはさみしい」でも「老人ホームに入るのも気が進まない」。
 そんなニーズにこたえる新しい選択肢が「シニア向けコレクティブハウス」です。

「コレクティブハウス」は、日本でもかなり浸透してきている「シェアハウス」と似た仕組みで、スウェーデンが発祥の住まい方。
 トイレ・キッチン・浴室などが完備された独立した専用の住居に住みながら、共用キッチンやダイニングといった共用スペースもあり、そこで他の住人と交流を図ることができる住まいです。

 トイレ・キッチンなどを共有する「シェアハウス」と比べてよりプライバシーが確保されます。「ひとりでいたい時はひとりになれる。誰かと会いたい時は共用スペースに行けばいい」「病気の時など、助け合える」など、プライバシーもしっかり守られながら、老後の不安に対応できるというのは、ひとり暮らしに慣れている独身者にとっては、うれしいメリットではないでしょうか。

「コレクティブハウス」は賃貸形式で、通常の家賃のほかに共益費がかかります。今は東京・神奈川・大阪などの都市部で多く展開されています。若者や子育て世帯から高齢者まで多様な世代が一緒に暮らすタイプもあれば、65歳以上などの高齢者のみのタイプもあります。規模は10~30人程度のものが多いようです。
 中には寝たきりになっても住み続けられる「コレクティブハウス」もあり、高齢化が進み、生涯独身者数も増えつつある日本で、これから注目される住居形態といえます。

 *本記事は、独身者向けのお金&老後対策を書いた、板倉京著「ひとりで楽しく生きるためのお金大全」から、抜粋・編集して構成しています。