【周囲の人はどうすればいい?】
無理に慣れさせようとするよりも、
道具の力を借りてストレスを減らそう
感覚過敏の場合、無理に刺激に慣れさせようとすると、恐怖心が高まり逆効果になってしまいます。「怖くない」「大丈夫」という言葉も、本人の耳には届きません。
子どもが聴覚過敏で電車に乗れないなら、環境騒音だけをカットするデジタル耳栓や、ヘッドホン型の防音具であるイヤーマフを購入し装着させましょう。適した道具が見つかれば、けろっとした顔で地下鉄に乗れるかもしれません。もちろん、地下鉄に乗らないという選択もありです。
また、ふいに来る刺激にパニックになることがあるため、「電車が来たからゴーッて音がするよ」などと、あらかじめ知らせて心構えを持たせておくことも必要です。
感覚過敏でシャワーが苦手であれば、「湯船に浸かるだけでいいよ」と声をかけ、慣れさせていくことが大切です。
毎日、無理に入れるより、最初は1日おきになどと決め、入るたびに「きれいになった~。いいにおい~」とたっぷり褒めてあげましょう。そしてシャワーハット、やわらかいガーゼやスポンジ、香りのいいシャンプーや石鹸など、本人が好む道具を見つけ、少しでも気持ち良く入れる工夫をするといいですね。湯船におもちゃを浮かべてあげるのも手です。
感覚過敏は脳の特性。いずれの場合も、わがままで言っているのではありません。
成長とともに緩和されていくこともありますので、理解し、見守りながら、気長に付き合ってあげてください。
・無理に刺激に慣れさせようとすると逆効果
・「怖くない」と言われても、本人は怖い
・気長に付き合うこと。成長とともに緩和されていくこともある