世間体を大事にする人はスピード円満離婚を望む傾向
K太さんのように地元で顔を知られている人や、離婚のダメージがビジネスに直結するような仕事や肩書を持っている人の場合、スピード円満離婚を望む人も少なくありません。感情面や経済面で多少の負担を強いられることがあっても、「スピード円満離婚に合意することで、得られるものや守るべきことを大切にしたい」と判断するためです。それが人によっては、世間体だったり、イメージダウンの回避だったりするのです。
ただし、子どもがいる場合は細心の注意を払う必要があります。スピード円満離婚に至った夫婦はK太さんの例のように、「条件的には合意しても、感情面では納得していない」ということもあるもの。表向きでは解決したように見えても、心のなかに芽生えた相手への憎しみや恨みといったマイナスの感情はなかなか消せるものではないでしょう。
だからといって、子どもにそれをぶつけることは避けなければなりません。大人の都合で離婚をするときの最大の被害者は子どもだからです。相手に対して感情面では納得できていなくても、「たとえ離婚しても、これからは子どものために二人で力を合わせていこう」という気持ちでいる、と決めること。その共通認識は必ず持っておく必要があるでしょう。
※本稿は実際の事例に基づいていますが、プライバシー保護のため個人名などは全て仮名とし、一部を変更・再構成しています。