4月といえば人事異動の季節。昇進で初めて管理職になったり、新しい職場のマネジャーになったりした人は多いだろう。メンバーの模範として働きつつ、部下の育成や業務管理など、プレーヤー時代とは異なるタスクが数々あるため「何から手をつければいいのだろう…」と戸惑っているかもしれない。
そんなときに参考になるのが、株式会社識学の代表取締役社長である安藤広大氏の著書で、シリーズ累計70万部を突破している『リーダーの仮面』だ。
本稿では、仕事で結果を出すための「必読書」と反響を呼んでいる本書より、一部を抜粋・編集し、「パワハラが起きやすい職場」の共通点と上司がとるべき行動をご紹介する。(構成/根本隼)
パワハラと指導の線引きに悩む上司は多い
「ちょっとでもキツく言ったら、パワハラになるのではないか?」
「部下に気を使わない上司は、パワハラ上司かもしれない……」
そんな心配をしている人がたくさんいるでしょう。もちろん高圧的な態度や理不尽を押し付けることは絶対にやってはいけません。
しかし、パワハラになることに怯えるあまり、「部下に指示ができない」「すべて自分で背負いこんでしまう」ことになるのは、問題です。
「ルールが明確でない職場」ほどパワハラが起きやすい
実は、感情を脇に置いて守るべき「ルール」を明確化し、上司という「位置」を意識したコミュニケーションをすると、パワハラは起こりません。
ルールの設定と運営だけでは、感情が入り込む余地がないのです。
自分が人間として上に立つことで、部下は言うことを聞くと勘違いしているからマウントを取ろうとするのです。
自分のほうが強くないといけないと思うから、部下を威圧してしまいます。あるいは、自分のほうが仕事について詳しくないといけないと思うから、部下の無知に対して必要以上の指摘をしてしまうのです。
上司と部下は、あくまでも会社のルールで規定された関係です。ルールで規定されていない友達関係のように、強い人や、詳しい人が力を持つという関係ではないのです。
「ルールに沿った指導」はパワハラになり得ない
ルールがきちんとあって、そのルールに対して「できていない事実を淡々と指摘する」ということであれば、パワハラにはなり得ません。
「赤信号だから止まってください」と、ルールに従ってモノを言う分には、感情が入り込む余地はないのです。赤信号を守らなかったことを指摘したら、「パワハラだ!」と言い返されるなんて逆ギレもいいところです。
設定したルールに反したことがあったら、堂々と伝えられるリーダーになりましょう。
(本稿は、『リーダーの仮面』より、一部を抜粋・編集したものです)