ラーションや俊輔、ヴィドゥカは
国際舞台で大活躍したが…
スコットランドリーグの歴史は、セルティックとレンジャーズの2強で彩られてきた。年間38試合を戦う現行の形になった2000‐01シーズン以降の優勝チームを振り返れば、セルティックが9連覇を含めた16度、レンジャーズが3連覇を含めて6度と両チームですべてを占めている。
両チームが1位と2位でフィニッシュしたシーズンも15度を数え、今シーズンも2強の上位独占が確定している。必然的に得点王も年間最優秀選手も、ほとんどが2強から輩出されてきた。2強以外のタイトルホルダーは、得点王が5人、年間最優秀選手に至っては1人にとどまっている。
ならばスコットランドでタイトルを獲得した前後で、ヨーロッパの5大リーグやチャンピオンズリーグなどの国際大会、あるいは母国の代表としてワールドカップで活躍した選手はいるのだろうか。
得点王ではセルティックでの7シーズンで175ゴールをたたき出し、その後にバルセロナやマンチェスター・ユナイテッドでプレー。スウェーデン代表として3度のワールドカップに出場し、1994年アメリカ大会で3位入賞に貢献したFWヘンリク・ラーションが唯一の存在となるだろうか。
レンジャーズとキルノーマックで5度の得点王に輝いたFWクリス・ボイドは、キャリアの大半を母国スコットランドでプレー。同国代表としてはワールドカップにもユーロにも無縁だった。
ラーション以外の年間最優秀選手では、セルティック後にリーズ・ユナイテッド、ミドルスブラ、ニューカッスル・ユナイテッドとプレミアリーグで活躍。オーストラリア代表として2006年のドイツワールドカップでのベスト16進出に貢献したFWマーク・ヴィドゥカが挙げられる。
イングランド人FWクリス・サットンは、ブラックバーンでのプレミアリーグ優勝と得点王獲得を引っさげてスコットランドに乗り込んできた。セルティックに所属した2004年に年間最優秀選手に輝いたが、A代表でのキャップ数はわずかに「1」だった。
一方で俊輔はセルティックから2009年6月にエスパニョールへ移籍するも、スペインになじめないままシーズン途中の翌10年2月にマリノスへ復帰している。
2強が臨んだヨーロッパのカップ戦はどうだろうか。セルティックは俊輔が輝きを放った2006‐07、2007‐08シーズンを含めて、最高峰のUEFAチャンピオンズリーグでベスト16へ3度進出。レンジャーズは一つ下のカテゴリーのUEFAカップとヨーロッパリーグで1度ずつ準優勝している。
今シーズンは2強が15年ぶりに、チャンピオンズリーグ本戦へそろって出場した。しかし、セルティックは2分け4敗、レンジャーズは6戦全敗でグループステージの最下位で敗退している。