今のスコットランド代表は
実は「海外組」が中心

 スコットランド代表チームの構成はどうだろうか。ユーロ2024予選に連勝した3月シリーズに招集された26人のうち、スコットランドリーグ勢は5人。そのうちキプロス、スペイン両代表戦に出場したのはセルティックのキャプテン、MFカラム・マクレガーだけだった。

 なお、古橋に次いでスコットランドリーグで得点ランク2位につけている同国FWローレンス・シャンクランド(ハーツ所属)は、もともとは代表招集外。けが人の代役として追加招集され、スペイン戦の後半終了間際に途中出場したが、ゴールは決めていない。

 いわゆる海外組がほとんどを占めている選手構成は、近年の日本代表と変わらない。ちなみに1998年フランス大会までに8度出場しているワールドカップ、そして前回2021年大会までに3度出場しているユーロでは、すべてグループステージでの敗退を喫している。

 こうしたデータを振り返れば、リーグ内では常に2強がしのぎを削り合っているものの、一歩外に出たヨーロッパの舞台では、めぼしい結果を残していない跡がわかる。しかし、だからといってスコットランドリーグのレベルが低いと結論づけるのは、やや短絡的だと言わざるをえないだろう。

 リーグおよびクラブの世界ランキングを独自に算出し、年に2度公表している「the KA」というサイトがある。最新版となる今年1月の世界リーグランキングでは、順にイングランド、スペイン、ドイツ、イタリア、フランスとヨーロッパ5大リーグ勢が上位5位までを独占している。

 6位以下もポルトガル、オランダ、ベルギーとヨーロッパ勢が続くなかで、スコットランドは17位に登場する。ヨーロッパ勢に限定すれば13番目であり、スコットランドよりも下位にはクロアチア、スイス、デンマーク、ギリシャ、チェコ、セルビア、ドイツ2部がランクされている。

 上位陣で比較しやすい対象を挙げれば、日本のJリーグが26位に入っている。ランキング自体はあくまでも目安となるが、それでもスコットランドのレベルが低いとは一概には言えないだろう。

 ましてや日本代表の3月シリーズにおける、負傷辞退者の代わりに追加招集された2人を合わせた28人の顔ぶれを見渡せば、森保監督の選手選考そのものに齟齬(そご)が生じている。