しかし、契約内容は全く実生活にフィットしておらず、保険は定期的に見直しが必要なことをまざまざと教えられた。もちろん保険資格など取らなくても、わかりやすい説明さえあれば無駄な保険料は払わなくて済んでいたのだ。今更ながら「後悔は無知から始まる」ことを痛感する。

 現在、新入行員は積立定期や財形預金を強いられているだろうか?いや、おそらく国を挙げて勧める「つみたてNISA」あたりだろう。でも、新入行員は銀行が勧める商品こそ、怪しむスキルを身に付けておこう。

書影『メガバンク銀行員ぐだぐだ日記』(三五館シンシャ)『メガバンク銀行員ぐだぐだ日記』(三五館シンシャ)
目黒冬弥 著

 新入行員の皆さんは、先輩たちが勧めてきた商品を疑いもせず契約するだろう。そもそも断れる立場でもない。しかし、立場の低い者に対し、ニーズがない取引を無理矢理強要するのは「優越的地位の濫用」であり、独占禁止法における違法行為であることを、ぜひ覚えていてほしい。

 先輩たちが勧めてくる商品は彼らのノルマであり、言い方は悪いが皆さんはいいカモにされている。絶対に断れないと確信しているからだ。そして皆さんの多くは、1年後には見事なまでに銀行に染まり、同じ行為を後輩に行うかも知れないのだ。

 そして私は、今日も懸命に勤務する。つらいこともうれしいこともあった。この銀行に感謝しかない。

(現役行員 目黒冬弥)