“4ドアクーペ”と呼びたくなる
スタイリッシュなフォルム
デザインから説明していこう。エクステリアは2代目から続くワンモーションフォルムを継承するが、ワイド&ローのプロポーションやルーフ頂点を後方に下げたことに加えて、低いボンネット、スポーツカーのように寝かされたフロントウィンドウ、線ではなく面で抑揚を与えたグラマラスなサイド、薄型一文字ライトのリアなど、“4ドアクーペ”と呼びたくなるスタイリッシュなフォルムに仕上がっている。
タイヤは1.8Lが195/60R17+ホイールカバー、2.0Lモデルが195/50R19+アルミホイールと旧型から2インチアップ。これは見た目とステアリング切れ角、そして転がり抵抗を考慮した設定だそうだ。フェンダーとの隙間やホイール・インセットもかなり攻めている。
インテリアはトヨタ車共通の水平基調のコクピットデザインをベースにプリウス用に最適化した。メーターはプリウス伝統のセンターメーターから通常タイプに変更、bZ4Xで初採用のバイザーレス式を水平展開。シンプルな表示で視認性も高いが、ポジションによってステアリングがメーターの一部を隠してしまうのは要改善……。
インパネシフトは廃止して、シフトレバーはセンターコンソール上に移動された。シフト回りは新型クラウンと共通部品を使っている。センターコンソール周辺は、限りあるスペースの中にさまざまなアイテムを装着するが、新型は機能的なのにスマートなデザイン。このあたりは新型クラウンをはじめとする他のトヨタ車も見習ってほしい。
居住性はデザイン重視で前席優先だと思われがちだが、後席はルーフラインライニングの工夫やシート角度の最適化による頭上スペースの確保、+50mmのホイールベースによる足元スペース拡大、フロントシート形状最適化やリアドアのウィンドウ面積をできるだけ大きく取る工夫(そのためにリアドアに電子ラッチ採用)などにより、想像よりも閉塞感の少ない快適な空間に仕上がっている。
虜にさせる走りはどうか?今回はHEVのプロトタイプに試乗したが、試乗場所は何と富士スピードウェイのショートコースだ。パワートレーンはHEVは1.8/2.0Lの2タイプ。2.0Lは応答性の高さやEV領域が増えたモーター走行などはもちろんだが、システム出力196㎰は“速い”と感じさせる力強さだ。