娘2人の教育費を支払った後の
金融資産額はどれくらい?

 次女は現在小学6年生。学費の記載はないので、公立に通われているのでしょうか。その場合、小学校卒業までに必要な教育費は塾代の10万円のみです。

 中学校と高校は公立・私立のどちらに進学するのか記載がありませんが、塾に通っていることを考慮して私立の中高一貫校とします。

 中高6年間で発生する学費は、中学が430万円程度(入学金込み)、高校が300万円程度とします。6年間の合計額は730万円です。

 また、次女の塾代は、中学1年生~高校2年生は年間50万円、受験生になる高校3年生は年間100万円とします。合計すると、中高6年間で350万円です。

 高校卒業後は、お姉さん(長女)と同じく理系の私立大学・大学院に6年間通い、約915万円の教育費が発生すると仮定します。

 そうすると、今後見込まれる次女の教育費の合計額は、10万円+730万円+350万円+915万円=2005万円です。

 このため、姉妹の教育費の合計は、1205万円+2005万円=3210万円になります。

 それでは、ステップ3です。

 ステップ1で算出した1億2114万円から、この3210万円を引いた残りは8904万円。この金額が、Fさんが60歳になったときの金融資産額だと想定されます。

 一般的に、夫婦の老後資金は計2000万円あれば安泰とされます。Fさん夫婦の金融資産額はこの数字を優に上回る見込みなので、老後の家計は心配しなくても大丈夫でしょう。

 相談文には「次女の教育費をまだ準備しておらず、長女が社会人になるまでに少しずつ貯金したい」と書かれていますが、Fさん夫婦が現在の貯蓄ペースを維持すれば何ら不安はないと思われます。

 もし次女が国公立大学に進んだ場合や、大学院に進まなかった場合はさらに余裕が出ます。

 二つ目の相談として「自家用車を購入したい」と記載いただきましたが、老後資金にかなりの余裕がありますので、購入をすぐに実行してもよいでしょう。

 Fさんの車の好みはわかりませんが、一つの目安として、予算は諸費用込みで350万円程度はいかがでしょうか。

 60歳になるまでに買い替えを2回(初回を含めて、購入回数は計3回)しても、支出は計1050万円です。

 もう少し上乗せして400万円のモデルを3回買ったとしても、計1200万円の負担です。いずれにせよ老後資金は7700万円以上残りますので、安心して購入してください。