『週刊ダイヤモンド』5月13日号の第1特集は「ゴルフ沸騰」です。ゴルフがまさに沸騰しています。ゴルフ場は予約が取れないほど活況を呈し、ゴルフ場会員権は急騰。アパレル市場まで盛り上げるほどブームは過熱しています。最強のコミュニケーションツールであるゴルフは、ビジネスパーソン必須のスキルでもあります。本誌恒例のゴルフ場ランキングや「虎の巻」上達術、熱狂するプロゴルフ界の動静など沸き立つゴルフの最新動向をお届けします。(ダイヤモンド編集部)
来場者数は20年超ぶり1000万人突破
会員権相場は21年に8年ぶりの高水準
ゴルフが熱い。新型コロナウイルスの感染拡大が転機となり、ゴルフ人気が復活した。2021年の緊急事態宣言下で、「3密」を避けてゴルフ練習場に足を運んでいた初心者が、ゴルフの爽快感に魅了され、次々とラウンドデビューを果たしている。

経済産業省の特定サービス産業動態統計調査によると、21年のゴルフ場来場者数は、前年に比べ100万人以上増え1000万人を突破。22年もその勢いは止まらず1053万人を記録し、2000年以降で過去最多となった。ゴルフ場の予約が取りにくくなるような事態も生じている。
ゴルフ場会員権の購入に動くゴルファーも増え、会員権相場も過熱している。ゴルフ場会員権売買仲介最大手の桜ゴルフによれば、関東圏のゴルフ場会員権は21年の平均相場の年間騰落率が9.1%と8年ぶりの高水準を記録。22年も6.3%と好調を維持し、今年に入ってからも堅調に推移する。
ゴルフ場別でも、20年に1500万円だった磯子カンツリークラブ(神奈川県)の会員権価格は、23年に2600万円に急上昇。大利根カントリークラブ(茨城県)や武蔵カントリークラブ(埼玉県)の会員権価格も2倍以上に跳ね上がっている。
そして、折からの女子プロ人気の勢いも止まらない。その流れを決定づけた立役者がいる。19年の全英女子オープンで初制覇した渋野日向子プロをはじめとする1998年度生まれのタレント豊富な「黄金世代」の選手たちだ。
各トーナメントの優勝賞金は高騰し、それに伴って女子ツアーの賞金総額もうなぎ上り。19年シーズンは賞金総額36億円となり、ついに男子ツアーを抜き去った。コロナ禍を経て21年は40億円を突破し、いまなお過去最高を更新し続けている。
ゴルフファッションにも火が付いた。渋野プロがファッションブランド「ビームス」のゴルフウエアを着て全英女子オープンを制覇したことがきっかけだ。そして女子プロ人気とニューカマーの増加にあやかろうと、アパレル業界のゴルフウエア事業への参入も相次いでいる。
ゴルフ熱はまだまだ冷める気配はない。