大きく重くなったとはいえ、それでも車両重量は1.3トンそこそこ。同じ2Lの心臓を積むゴルフGTI比で130kg以上も軽量であることがプラスをもたらしている。ちなみに、車載メーターでチェックすると、アクセルワーク次第で、思った以上に燃費が大きく変化していた。この点は、高いブースト圧によって高出力を叩き出している心臓の持ち主ならではという印象だ。

ピリッと辛い走りの
実力を秘めたポロGTI

 専用にチューニングされた足回りは適度な硬さを示す。一時期はゴルフGTIを凌ぐハードなセッティングだったが、テスト車が大径18インチタイヤとセットで用意されるアクティブダンパーを装着していた関係もあってか、サスストローク感こそ限定的であるもののそこまでの硬さは感じなかった。同じハッチバックでも、もはやこのカテゴリーで最大級ともいえるゴルフの“大きなボディは必要ない”というユーザーにとって、ポロGTIは最適な選択肢である。

 スポーティでおしゃれな“GTIならでは”といえる内外装のセンスをまとっている点はもちろん、高い動力性能とステアリング操作に対しての高い応答性を示すハンドリングは一級品。室内やラゲッジスペースもよく考えられており、大人4名でロングクルーズに出かけても不満はない。ピリッと辛い走りの実力を秘めたポロGTIには、独自のファンが集まりそうだ。

(CAR and DRIVER編集部 報告/河村康彦 写真/小久保昭彦)

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