理論上は老後もギリギリ安泰だが
家計の見直しは必須

 65歳以降は公的年金の受給が始まることから、毎月の年金に勤労収入を加えれば月間5万~6万円は貯蓄ができるはずです。こちらも間をとって月5万5000円とすれば、年間66万円の貯蓄が上乗せできます。

 このペースでの貯蓄が続くと仮定すれば、70歳までの5年間で330万円、75歳までの10年間で660万円、80歳までの15年間で990万円を上乗せできます。

 65歳時点の金融資産額が200万円ですから、80歳まで働けば1190万円の貯蓄を保有していることになります。

 そして80歳で仕事を辞め、収入は公的年金だけになると仮定します。

 80歳以降の年収(公的年金額)は70万円前後、月間支出は11万8000円(年間141万6000円)とすれば、年間71万6000円の赤字です。

 理論上は、貯蓄が底を突くまで16.6年ほどかかるので、Tさんが96歳ごろまで持ちこたえられます。支出額をもう少しだけ削れば「人生100年」にギリギリ対応できるのではないでしょうか。

 推測を交えた試算になりましたが、いかがでしょうか。

 Tさんに何よりもお伝えしたいのは、今日から心を入れ替えて家計管理を行うことと、一日でも長く働けるように健康を維持することです。