人材育成やチームの目標達成、部下とのコミュニケーション…リーダーにはさまざまな責務がのしかかる。悩みを抱えていないリーダーなどいないだろう。
そこで参考になるのが、全世界でシリーズ累計1800万部を記録するベストセラー著者、ジョン・C・マクスウェル氏の『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』だ。「あの人についていきたい」と思わせる秘けつが満載の本書には、「心に刺さる言葉ばかりだった」「仕事につまずいた時に読むべき特効薬」と激賞の声が多数寄せられ、多くの人が「常にそばに置いておきたい本」として何度も読み返しているという。
本稿では本書より一部を抜粋・編集して、好感度の高い上司が「絶対にしないこと」の共通点を明かす。(構成/根本隼)
好感度の高い上司は、絶対に「見返りを期待しない」
人びとに訴えかける力という点では、与える心にまさるものはない。本物の与える心は、その場かぎりの出来事ではない。
それは心の底からにじみ出るものであり、時間、お金、才能、所有物の使い方など、リーダーの生き方のあらゆる面に表れる。
人びとがついていきたいと思うようなすぐれたリーダーは、自分のために物を集めたりしない。彼らは他人に与えるために物を集める。
「心が狭い人」の残念な特徴とは?
自分の持っているものに満足していない人は、与える心を持つことがむずかしい。与える心は満足から生まれるが、より多くのものを手に入れたからといって与える心がおのずと身につくわけではない。
億万長者のジョン・ロックフェラーは「私は数百万ドルを稼いだが、その金は私に幸せをもたらしてはくれなかった」と認めている。
少しのもので満足できないなら、多くものが手に入ったからといって満足できるものではない。
「与える心」を伸ばす3つの方法
自分の人生の中のちょっとしたことでもいい、それを人に与えていないなら、あなたはリーダーとして与える心を身につけているとは言えない。
どのように与えれば、正しく与えることになるのだろうか。「与える心」を育むために、あなたが日々気にかけるべきことは何だろうか。
★何かを与える
自分が所有物にどのように拘束されているかを見極めよう。自分が本当に大切にしている物を、それを役立ててくれそうな人に与えよう。
あなたにとって大切な人たちの中から選ぶのだ。その行ないが匿名でできると、さらにいい。
★自分のお金を活用する
本当に偉大なこと、人びとの生活に好ましい影響を与えることをしたいというビジョンの持ち主を知っているなら、その人に資金を提供しよう。
自分が死んだ後も残るような業績にお金を活用しよう。
★指導する相手を見つける
すでにある一定のリーダーシップを身につけているなら、あなたが与えられるもののうちで最も価値があるのは、あなた自身だ。
自分の人生を捧げることのできる相手を見つけ、より良いリーダーになるために、その人物に時間と資質を提供しよう。
(本稿は、『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』より一部を抜粋・編集したものです)