株式投資をする人たちの間で大きな支持を集めている話題の1冊が『株トレ――世界一楽しい「一問一答」株の教科書』だ。60問のクイズを答えていくだけで、「株式投資のコツ」や「株の売買タイミング」がつかめる手軽さが人気だ。「チャートを勉強したけど成果が出ない……」。その原因はどこにあるのか。『株トレ』の著者であり、ファンドマネジャーとして2000億円超もの資金を運用してきた経歴を持つ楽天証券・窪田真之氏に話を聞いた。さらに本稿後半では、特別に『株トレ』から一部を抜粋して紹介する。
[特徴1]未来を予想することに自信を持っている人
株で損する人の最も多いパターンは先入観です。
『株トレ』では、先入観を排除して、チャートの情報だけから投資判断をするトレーニングしますが、チャートを見る前から「いい銘柄だ」「悪い銘柄だ」と思っていると、判断が遅れてしまいます。
私がファンドマネジャーだった頃、腕のいいマネジャーほど、将来の予測をペラペラ語るようなことはしませんでした。
「わからない」という気持ちでチャートを素直に見ているのが、最もいい状態だと思います。
チャート以外の情報から勝手に自分で将来を描いて、「いよいよバブル崩壊だ」とか「ここから絶好の買いがやってくる」と自分の予測に酔っている人が一番危険です。
[特徴2]頭がいい人
頭のいい人ほど、株のトレードを経験する前に、ありとあらゆるチャートの形を覚えて、絶対に失敗しないようにと知識を蓄えます。
しかし、株のトレードは頭のいい人が勝てるものではありません。
ピアノが上手くなりたいと思った時に、まずやるべきことはピアノを弾くことであって、音楽理論を一通り学んでから初めてピアノに触るなんてナンセンスですよね。
株のトレードも一緒です。トレードの経験をせずに理論から始めても、自分のものにはなりません。
とはいえ、いきなり数多くのトレードをするのは難しいという人もいるでしょう。『株トレ』は、実際のチャートを見て投資判断を繰り返すトレーニングブックですので、実践感覚を鍛えるつもりで活用してください。
チャートのクイズに挑戦しよう
A社、B社、C社、買うなら、どれ?
クイズの正解は……
買うのは、A社です。
私が最も信頼している買いシグナルは「急騰の初動」です。
長らく売買高が少なく値動きが乏しかった銘柄で、突然、売買高が急増して急騰したところが、最も信頼できる買い場です。
A社株はその状態です。
B社もC社も急騰の初動、売買高が急増したところで買えば、絶好の買いでした。でも、今となってはもう遅いです。
B社は売買高が減り、人気が離散。
C社は人気過熱、短期的な上昇率が高過ぎて、高値警戒感が出るところです。
(本稿は、『株トレ――世界一楽しい「一問一答」株の教科書』から抜粋・編集したものです。)