新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行したことで、コロナ禍によって大打撃を受けた業界・企業の業績の完全復活に対する期待が高まってきた。上場70社超、23業界を上回る月次の業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移から、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、2023年3月度の専門飲食店編だ。
現在復旧中になりますので、改めてご覧いただけますと幸いです。(2023年5月19日 17:39 ダイヤモンド編集部)
鳥貴族、餃子の王将、いきなりステーキ…
コロナ前比較で分かった深刻度
専門飲食店の主要3社が発表した3月度の月次業績データは、以下の結果となった。
◯鳥貴族の既存店売上高
3月度:前年同月比168.2%(68.2%増)
◯餃子の王将(王将フードサービス)の既存店売上高
3月度:同112.6%(12.6%増)
◯いきなり!ステーキ(ペッパーフードサービス)の既存店売上高
3月度:同108.4%(8.4%増)
3社とも前年実績を超えている。とりわけ、鳥貴族の168.2%(68.2%増)は目立つ。鳥貴族、餃子の王将、いきなり!ステーキの順に、増収幅は1位、2位、3位である。
しかし、新型コロナウイルス禍になる前の実績と比較した「実態値」を確認すると、この順位は異なることが分かった。この3社を含む外食業界は、コロナ禍によって大打撃を受けた筆頭であり、営業もままならない時期が長く続いた。一方で、この1年ほどは客足が戻り、業績の完全復活に期待が高まっている。
さて、「実態値」を確認すると、順位はどのように変わるのだろうか? 当ててみてほしい。1位はコロナ禍中に値上げしても増収している勝ち組企業だ。一方、3位は「コロナ禍のせい」という言い訳では片付けられない、悲惨な経営状況が浮き彫りになった。