東スポとコラボして
「UFO飛来」の号外を配布
原島氏の言う「飛び道具」とは、同社が行う販促戦略を指す。これまで、スーパーの販促は“チラシ”で行うのが主流だったが、ベルクでは2020年に実施した「霊視体験キャンペーン」を皮切りに、ユニークなキャンペーンを展開して集客につなげている。
とくに大きな反響を呼んだのが2021年の8月に実施した「日清焼そばU.F.O」との共同企画だ。同企画では、東スポこと「東京スポーツ新聞」ともコラボ。「ベルク店舗の上空にUFOが飛来した」という“独占スクープ”を報じた号外を制作して店頭で配布したところ、数日で3万1000部がすべてなくなったという。
「ベルクで日清食品の商品を1000円以上購入したレシートの画像を専用のアプリに送ると、抽選で150人にプレゼントが当たるという企画です。UFOのキャンペーンでは店頭での集客力だけでなく、SNSの拡散力を目の当たりにしました。U.F.Oのユーザーだけでなく、コアな東スポファンの呼び込みにもつながっていた印象です。号外を手にしたお客様が、紙面の写真をSNSに投稿してくれたり、期間限定で当社の本社前に設置したU.F.Oのオブジェの写真を撮りに来てくれたりする人もいて驚きましたね」(同)
そのほか、人気アイドルグループとのコラボイベントや、店内放送に人気声優を起用するなど、若い世代に向けたキャンペーンを多く展開。その度に、県内外から多くのファンがベルクを訪れたという。
「とくに10代、20代前半の若い人たちは、スーパーになじみがない人がとても多い。そんな彼らが、ベルクに来店するきっかけになる企画づくりを心がけています。目的がキャンペーンでも、店内を歩けば清潔感があって、商品の価格も安くコスパがいい、といったスーパーの魅力が伝わるはず。それを機に普段から買い物をする場として選択肢に入ることができれば、いずれ家庭を持ったときに常連になってもらえるかも、という期待もありますね」(同)