開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕、武蔵、海城……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、特別に一部を抜粋して紹介する。
算数が伸びないのは「国語力が原因」
2022年の大学入学共通テストでは、数学の平均点が非常に低かったことが話題になりました。
この原因は、数学的な難しさにあったのではありません。
用いる公式が難しくなっているとか、計算量が増えているということだけではなく、それを解くのにどういうやり方をしたらいいかを判断するのが大変になっているのです。
つまり、数学でありながら、国語の読解力がないと手が出なくなっているということです。
大学も含めた世の中が、暗記タイプの公式人間ではなく地頭のいい思考人間を求めている証左であり、こうした傾向は今後もますます強くなるでしょう。
当然、中学受験も同様の方向に進んでいます。
算数の問題でありながら文章量が多くなっており、一度に多くの情報が与えられます。
だから、まずはそれら情報を図に整理していく必要があります。
それができてはじめて、どんな公式で解いていけばいいかがわかるのです。手を動かしながら与えられた情報を整理する力が重要になります。
こうした能力を高めるには、長文の算数問題をひたすら回数多く解き、「問題文を読み込んで整理する」ということを繰り返すしかないでしょう。
また、普段から長文に接していることはとても大事で、読書習慣がある子どもは有利です。
算数だから算数の参考書を読めばいいというのではなく、算数のために小説のような長文を読み、その内容を吟味できる頭が必要なのです。
(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)