医師に8対2圧勝する
進化したAIの「共感力」のすごみ
ChatGPTの真価を示す研究成果を、米カリフォルニア大学サンディエゴ校のジョン・エアーズ博士らが発表した。
約200件の患者の質問に、人間の医師とChatGPTが答え、その回答を専門家に評価させたところ、79%は後者の方が質が高く正確だと判定。回答内容が「共感的」かどうかでもChatGPTに軍配が上がった。
ChatGPTは、「AIの言葉は無味乾燥」という常識を覆したのだ。実際、悩みを相談してみると、質問者の感情に寄り添った返事をするし、その説明は、仕事に追われている医師やカウンセラーより丁寧で分かりやすい。
健康情報サイトや
弁護士の法律相談が激減!?
こうしたChatGPTの能力によって、地位を脅かされる企業や労働者も出てくる。
例えば、ユーザーの満足度が高い、健康の悩み相談がChatGPTで可能になれば、インターネット上にあふれるヘルスケア関連のウェブサイトへのアクセス数は減るだろう。知りたいことをピンポイントで聞くことができ、追加の質問もしやすいチャットの方が、記事を読むより効率的だからだ。
同様に、1時間5000円程度で弁護士が行ってきた法律相談も需要が激減するかもしれない。
そうなれば当然、雇用にも深刻な影響が出る。
ChatGPTなどのAIが雇用に与える影響について米ゴールドマン・サックスは3月、「現在の仕事の4分の1を代替でき、世界で3億人のフルタイムの仕事を自動化し得る」との推計を発表した。“生成AI大淘汰時代”がやって来るのだ。
下図は、ChatGPTを使いこなせるかどうかで、どんな違いが出るかを、ChatGPT自身に聞いた回答を示している。その回答の通り、「使えた人は競争力を高め、使いこなせない人はチャンスを逃す」。

東京大学の松尾豊教授は、第4次AIブームは「もはやブームではない」と言い切る。インターネットのように社会を変革し続け、個人の人生さえも変えてしまう。ChatGPTは、それぐらい強大なツールなのだ。