アマゾンは「弱体化した日本企業の買収」を
計画するかもしれない
私は、日本でのアマゾンエフェクトは、アメリカよりも遅れて2020年代に本格化すると予測しています。それも小売店だけでなく動画、音楽、書籍など電子メディア業界を含めた侵攻規模になると考えています。
その危惧は、コロナ禍で日本でもアマゾンを含めたインターネット通販の売上高が急増したことで、現実になり始めています。もちろん物流の2024年問題など日本固有の社会問題があるので、アマゾンエフェクトが一本調子で拡大するとは限りません。ただ、いろいろありながらも経済への悪影響が年々拡大していくことは間違いないと思っています。
そしてもう一つ、日本的なアマゾンエフェクトとしては、アマゾンは弱体化した企業を買収する形で拡大するのではと私は考えています。小売業については、アマゾンは無人店舗技術で他の小売流通の先を進んでいます。セルフレジではなく無人店舗です。
これはセンサーとAI技術を使うことで、レジを通さなくても駅の改札のようなゲートを通るだけで精算が終わる未来型の流通で、少子化に悩む日本にとっては最適なソリューションでもあります。このような技術的な優位のあるアマゾンならば、日本で販売網を拡大するには弱体化した全国スーパーや、2番手3番手のコンビニを買収したほうが、拡大が早い。
日本でのアマゾンエフェクトは、その莫大な時価総額を背景にしたM&Aを武器に進むのではないかという予測です。